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【第1回/全5回】初出展の舞台裏! ハンガーやS字フックを探してNYを駆けめぐる!??

丸安毛糸では、今年7月にニューヨークで開催された「SPINEXPO NY(スピンエキスポ ニューヨーク)」に初めて出展しました。この展示会は、繊維、紡績糸、ニット、テキスタイル(織物)、テクニカルテキスタイルの分野を扱う世界有数の国際見本市で、ニューヨークでは年1回開催されています。今回の展示会のためニューヨークへ渡った2人に、現地での出来事や感想を社長がインタビューしました。

左から井野、社長、岡崎、片野。
  • 岡崎 淳
    素材部 プロモーションDiv.リーダー/2020年入社
    丸安毛糸の4代目。前職の広告代理店での経験を生かし、HP運用、システム改修、広報のコントロールなどをしながら、素材の営業も行う、丸安毛糸のユーティリティープレイヤー。創業70年の老舗繊維メーカーの後継者として「やれることはなんでもやる」がモットー。

  • 片野 恵土
    素材部 企画部門/2017年入社
    自分で糸を紡いで作品を制作した経験から、糸づくりの楽しさと奥深さを知り、丸安毛糸に入社。糸の無限大の可能性や、組み合わせで変わる表情に驚き、企画と営業の業務に就く。毎シーズン、イタリアで開催される糸やニットの国際展示会「PITTI FILATI(ピッティ・フィラーティ)」に参加。

  • 井野 芙月
    製品部 企画部門/2021年入社
    アメリカの大学へ進学し、卒業後はニューヨークの日系企業で勤務。その傍らでファッションデザインのインターンを経験。製品企画を行いたいという想いから、帰国後に丸安毛糸へ入社。ブランド企画、プロモーション、ECサイト運営、海外顧客とのやり取りなど幅広い業務に取り組む。


社長:
このブログでは以前、今年3月にニューヨークへ出張した八嶋さんと片野さんに話を聞きました。前回の対談はコロナ禍以来3年ぶりの海外出張で、もともとお取引のあったお客様や問い合わせのあったお客様を訪問したエピソードなどを聞くことができました。

▶︎ 丸安スタッフNY出張レポ「イタリア行ったら気がついた
『そうだニューヨーク、行こう。』

社長:
今回のインタビューでは、7月にニューヨーク出張へ行った片野さんと岡崎 淳。そして、2人の出張とニアミスでニューヨークにプライベート旅行へ行っていた井野さんにも来てもらいました!井野さんはうちに入社する前はニューヨークに住んで、現地の企業で働いていた経歴を持っているんです。


岡崎・片野・井野:

よろしくお願いします!


社長:

片野さんと淳は、ニューヨーク出張の直前に、イタリアで開催された世界最大規模の糸の見本市「Pitti Filati(ピッティ・フィラーティ)」に出展するため、イタリア出張に行ってもらっていました。たしか、イタリアから日本へ帰ってきて、1週間後にはニューヨーク出張だったんだよね?


片野:

そうなんです!イタリアから帰国して、1週間後にはニューヨークへ向かいました。今回のニューヨーク出張は展示会への出展があったため、その日程に合わせて思い切ったスケジュールになったんです(苦笑)

イタリアで開催された世界最大規模の糸の見本市
「Pitti Filati(ピッティ・フィラーティ)」。
イタリア帰国から1週間後に
ニューヨークへ向かう2人。

社長:
出張のスケジュール聞いた時は驚いたな〜(笑)

これまで2人はイタリアの展示会を経験していますが、ニューヨークでの展示会は初めてのこと。また、丸安毛糸としても「SPINEXPO NY(スピンエキスポ ニューヨーク)」には初出展です。今回の展示ブースの様子や、印象に残っていることを早速聞いてみたいですね!

片野:
「SPINEXPO NY(スピンエキスポ ニューヨーク)」は年に1回ニューヨークで開催される、繊維、紡績糸、ニット、テキスタイル(織物)、テクニカルテキスタイルの分野を扱う世界有数の国際見本市。基本的に9割は中国系の企業で、アジア圏内の企業が出展する展示会です。今年は7月11、12日の2日間で開催されました。

この展示会の出展は、簡易的な商談スペースが与えられて、そこにお客様が来てプレゼンするという形。机一つ、椅子4つ、ハンガーラックが2つというスペースで、イタリアの展示会と比べるとブースのサイズは4分の1…いや、5分の1くらいの狭さでしたね。


岡崎:
うん。今回は2畳くらいだったよね。

設営前のブースがこちら

片野:
予想以上に簡易的なブースだったので、着いて早々に作戦会議でしたね(笑)私たちのブランドの世界観を、この畳2枚のスペースで表現するにはどうしたら良いだろうって。今回の出張は、スーツケース2つに収まるように準備したので、ハンガーなどは現地調達する予定で、最低限の荷物で臨んだんです。そしたら、現地のハンガーとうちの製品サンプルのサイズが合わないことが発覚...!!


岡崎:

アメリカのハンガーは肩幅が広くて、日本から持って行った製品サンプルと肩幅が違うんです。肩幅が合わないと、製品の見栄えが悪くなるんですよね...

私たちの出張初日は、ニューヨークの街中で、ハンガーを売ってそうなお店を手当たり次第にハシゴすることから始まりました(笑)しかし、どのハンガーも肩幅が広すぎる!
結局、現地のハンガーを使わずにディスプレイすることにしたんです。


片野:
そして、ハンガーの件が落ち着いたと思ったら、次は私たちの“編み地のフック”と“ハンガーラックの幅”が合わなくて、編み地を飾ることができないと判明して...!! 大慌てで現地のホームセンターに行って、ディスプレイに使えそうな細いパイプやS字フックを買い込んで。なんとか設営にこぎつけました。

現地のホームセンターに
買い出しへ向かった2人。
細いパイプ片手に街に佇む片野さん。
S字フックとポールで工夫し、
ディスプレイ完成(汗)!
設営完了後のブースです!

社長:
ハンガーの肩幅といい、ラックの幅といい、あらゆる幅のトラブル続きだな(笑)でも、次からの教訓になるね。ところで、展示会に来るお客様の反応はどんな感じだった?


岡崎:
イタリアの展示会に来るお客様だと、平均すると30〜40分はブースに滞在してくれますが、ニューヨークのお客様は平均15分くらいの滞在。ものすごくせっかちですね。

ニューヨークではゆっくりブースを見るような文化がないのかなぁ。商談のテンポもとにかく早かったです。

展示会場全体のようす

片野:
そうですね。手前の製品サンプルだけパッと見て、「YES」「NO」を瞬時にジャッジされるので、お客様の様子を観察しながら、反応の良い製品を手前に移動させたり、常にレイアウトの工夫をしていました。


岡崎:
商談の時もテンポが速くて、お客様が「これいいじゃん」って手に取った製品について、「こういう素材なんです」と少し説明すると、「じゃあ、これちょうだい。ここに送っておいて」と名刺を渡されて商談が終わっちゃう。


社長:

ニューヨークなのに、江戸っ子みたいにせっかちだな(笑)!

社長:
ニューヨークに住んで働いていたことがある井野さん、2人はニューヨークの人たちは「テンポが早い」と言ってるけど、実際はどうなの?


井野:

ニューヨークの方たちはせっかちですね。例えば日本だと、東京と大阪で比べられることが多いですが、アメリカの場合は「ニューヨークとロサンゼルス」で対比されることが多くて。ロサンゼルスの人たちは「ニューヨークはセカセカセカセカして!」と言えば、ニューヨークの人たちは「ロサンゼルスは時間がゆっくりすぎてカビが生える」と言い返す、そんな冗談があるほど、ニューヨークの人たちはすごくせっかちですね。


社長:

そうなんだ!


片野:

とにかくお客様たちはせっかちなので、どうしたら短時間で伝えられるかを考えて、「ここが私たちのホームページです!」と、ホームページのリンクを入れた製品パンフレットを渡すようにしていました。


岡崎:

そうですね。パンフレットと一緒に、うちの展示会のノベルティとして準備した「オリジナルフィナンシェ」を渡して。


社長:

そういえば、出張前にフィナンシェを準備してたね!

モンテルーチェのパンフレット
展示会のノベルティで配った
オリジナルフィナンシェ

片野:
うちの社員の知り合いのお菓子屋さんとコラボして、甘酒と日本酒「八海山」を生地に練り込んだフィナンシェを作ったんです。今回の展示会は初対面のお客様がほとんど。少しでも印象に残るものをと思って、素材部の企画チームで考えました。

お客様に「日本酒のフレーバー(香り)なんです」と伝えると、反応が良くて、会話のきっかけになりましたね。ある男性は、連日ブースに寄って「フィナンシェもらって良い?」と足を運んでくれたり(笑)


社長:

それ、反響良かったってことじゃん!


片野:
展示会の2日間を通じて、約40社の方が来て下さいました。初出展ということで正直に言うと、不安もあったんです。しかし、ニューヨーク以外の地域であるカリフォルニアから来たお客様や、日本ではまだ知られていないブランドのお客様とも出会うことができました。


社長:

おっ!カリフォルニアかぁ〜!片野さんはアメリカ西海岸のお客様にアプローチしてみたいってずっと言ってたよね。


片野:

そうなんです!


社長:
俺もニューヨークより西海岸に行きたいなぁ〜!なんかスローな雰囲気がいいじゃん♪
今回の展示会からまた広がっていきそうだね!ニューヨーク初出展、お疲れさまでした。


(​​第2回につづく(全5回))

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