母ちゃんのフラフープ
著者:田村淳
お笑い芸人の田村淳さんがお母さんとの死別を通じて旅立つ親と残された家族を通じて“生きる“を考えます。
【紹介文】
自分も淳さんと同じ彦島出身なので、情景をイメージしながら読みました。彦島の海とか小学校とか・・・。昔も今も景色はずーっと変わらないんだなぁと安心しました。
前半は淳さんが下関でどんな風に過ごして来たのか、そしてお母さんがどのような関わりをしていたのかが書かれています。ロンドンブーツを結成し、売れていくまでどんな苦悩があったのかも知ることができました。ロンハーとか(特に一昔前は)めちゃくちゃな企画してたけど、いろんな葛藤があったんだろうなぁと思いました。面白くTV見てましたけどね(笑)
後半はお母さんの癌が見つかり最後の時を迎えるまでが書かれています。後半かなり良かったです。旅立つ親とそれを見送る家族。不思議なバランスというか距離感というか。それをお互いに大事にしながら“生きる“と言う事について淳さんの考えを伝えてくれます。
【引用&コメント】
“死を考える事は、生きることなのかもしれない。“
「死」について考えることありませんよね。医師としては是非とも考えて欲しいなと思いました。というか、これがしっかりできていた田村家はすごいなぁと思います。
“家族は生き物だ。“
家族って不思議ですよね。お互いがお互に絶妙に作用し暮らしています。当たり前ですが世の中に同じ家族はいません。出産や死別で家族が増えたり、子供が巣立ったり、そこでは大きくシステムが変わりますよね。
特に淳さんのお家みたいにお母さんとの死別の時はまさに家族のシステムが大きく揺らぐ時です。そこはまさに生き物のように日々家族というものが変わっていきます。
とまぁ、医師とし家族を生き物のように捉える必要があると思います。目の前の患者さんだけでなく周りの家族も含めて診療する事は忘れちゃいけませんね。
“人は旅立つ前に、遺される人へ気持ちを伝えておいた方がいい。“
自分は祖父を心筋梗塞で亡くしました。「ピンピンころり」で逝ってくれたと思いますし、それがいいという人も多いですが、家族としては心の準備ができていませんでした。こっちももっと伝えたい事あったのに。
これに対して淳さんはITAKOTOという動画サービスを始めています。良いサービスだなぁと感銘を受けました。何より自分ってどんな人間なんだろう?と考えるとっても良い機会だと感じました。ちょっと勇気はいるんですけどね・・・
医師としてこんな事も話せるような人間性を磨きたいな。まず自分で自分のことを考えてみないとな。
“自分がどう生きて何を考えて生きてきたのかを子供に伝えたいと思った。“
恥ずかしいですが大事なことですよね。自分も子供が産まれたばかりなので今後やって行きたいと思います。そもそも、自分の親やおじいちゃん、おばあちゃんがどんな病気で病院に通っているか知らない人も多いと思いますので、そこから始めても良いかもしれません。
“離れていても、ひとりにさせない。俺たちがついている。“
残されたお父さんに対して淳さんが残したメッセージです。この意気込みすばらしい。兄弟協力して遠方の親も支えていく。将来、自分も親との距離が遠かったら言ってみたいです。その前に、兄弟間の関係をよく保っておく事も大事と思いました。妹大事にします。
【1言感想】
死ぬことを考えることは、生きることを考えることに繋がる。
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