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離職してからの3ヶ月間のことー これまでの自分に『またね。』を伝えてあげるために

これまでのキャリアから一旦離脱し人間休業しつつ、人生に立ち止まりたくなった人のための場所”おかゆホテル”を運営しております、さやです。

離職して3ヶ月が経過しました。

離職当初、このお休みをどんな風に過ごしたいかを考えた中で決めたことが一つありました。それが”せっかく休むのだから、感情を素直に味わうことを、自分に許してあげようということ。

そんな感じでお休み期間がスタートしたので、一瞬の思いつきで素直に行動できることに喜びを感じたかと思えば、一転して将来への不安や過去への怒りを感じて塞ぎ込むこともあり、気持ちの変化がとっても忙しい3ヶ月間を過ごしておりました。今振り返ると、まるで子供時代に戻ったかのような時間が流れていたことに気がつきます。

これまでの3ヶ月を振り返り、この期間に名前をつけるとすれば、過去の自分へ『またね。』を伝えてあげるための時間であったように今は感じていて、離職してから毎日つけている日記の内容をランダムにご紹介しつつ、なぜそう思うのかについて今日はお話ししたいと思います。


離職して1ヶ月ー やりたかったこと、やり残していたことをひたすら片付ける

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仕事辞めた day1
起きて植物の水やり。そろそろ収穫しなきゃなぁ…と思って放置していた庭の梅の木を見ると、たわわに実っていた梅たちが熟してきている…!大急ぎでおおきくなった実をひとつひとつ収穫。気づくと軽く2キロくらいは収穫できていたので驚いた。梅干しにするにはまだ少し青い梅があったので、台所に敷いた新聞紙の上であと2日くらいほったらかすことに。梅の甘酸っぱい香りで台所がいっぱいになり、お茶を入れに向かうたびにキュンとした。夕ご飯は隣のおじちゃんがやってる八百屋さんで買った豆を使った豆ご飯。土鍋で炊くと、いつもよりお米が甘く感じる。ひと手間で違うもんだな。仕事をしていた時にそのうち、そのうちと後回しにしていたことを、ひとつひとつ心動くままにやってみた1日。一瞬の思いつきで、すぐ行動に移せるので今を生きていることが実感できて、ちょっとうれしい。

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仕事辞めた day11
今までやりたかったけど保留していたことを振り返っていたら、釜ヶ崎のココルームさんのことを思い出したので遊びに行くことにした。近所の人や、ふらりと立ち寄った人も臨時家族となってご飯を囲む”まかないごはん”にも参加させていただくことに。仕事を辞めてから久々に電車に乗る。なんだか今日は駅のアナウンスや人混みが妙に煩わしく、自分がストレスを感じていることが手にとるように分かった。仕事をしていた時は、満員電車に1時間揺られることさえ何とも感じていなかったはずなのに…。ココルームさんへ到着した頃にはお腹が空いていたので、近くの和菓子屋さんで六方焼きを買って、それをおやつにしつつ、中庭で文章を書いて遊んだ。自然に溢れたお庭にいるとそれだけでインスピレーションが湧いて楽しい。夕方になり、近所の方やココルームのスタッフさん、泊まっている方も一緒になってのまかないごはん。一緒には食べないけど、ただ顔を出して帰っていく方もいらっしゃって、誰が誰かはわからないけど、いろんな人がそれぞれ機嫌良さそうに、ただそこに居られる感じがとっても居心地よく感じた。

仕事を辞めてからの1ヶ月はそれまで自分に課していた、あらゆる”〜ねばならない”に基づく強制力から解放され、それまで溜め込まれていたエネルギーが爆発したような状態になりました。そこでやったことが、それまでずっとやりたかったことや、やり残していたことをひたすら片付けること。

洋服をクリーニングに出したり、窓につけるカーテンを縫ったり、畑を耕したり、長らく会えていなかった友人に会ったり、コーディングを学習したり、資格取得のための講習を申し込んだり…

この頃に手をつけていたのは、仕事をしていた頃に”やりたい”と思ったものの、気力が出ずにやり残していたことばかりだったため、当時の気持ちというよりは、過去からのエネルギーによってこの時期は突き動かされていたように思います。

離職という節目をスタートし、アドレナリン全開の状態でやりたかったこと、やり残していたことを片付けることに邁進していたのが離職してからの1ヶ月です。


離職して2ヶ月ー ネガティブな感情さえも一旦受け入れて、味わってみる

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仕事辞めた day38
将来的にやりたいことはたくさんあるけど、どれにどう手をつけたらいいかわからなくて、もどかしい。英語学習も、畑の草抜きも進まない。気力が湧かない。これからの進路を決めかねている自分にもイライラする。まだ休みに入って1ヶ月ちょっとだから、そんなすぐに結論は出ないのは仕方がないとは思うけど、早く大まかな方向性だけ確定してしまいたい…と焦る自分がいる。けれど、もしまたどこかに勤めることになり、自分が嫌だと思っていたことを、またやらなければいけない状況になったらどうしよう…みたいな過去の経験で感じた嫌な気持ちを思い出しながらクヨクヨしてる。

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仕事辞めた day45
今日はとてもしんどい1日だった。起きるにしても、体が動かず、ずっとベッドでごろごろしていた。どうにか起きて、最近作れてなかったおかゆを作ろうとしたものの、お水の加減か、火の加減がよくなかったせいで普通のご飯が炊き上がってしまい、ひとりで笑った。仕方がないので貰い物の中国茶を沸かして、お茶漬けにすることに。お供は梅干しと塩昆布とすき焼き風の佃煮。これで体にガソリンを注いだつもりだったが、それでもやる気が出なくてゴロゴロしたり、洗濯物を干したり、野菜を収穫してエンジンをかけることに成功。お昼ご飯を食べて本を読んでいたものの、眠たくなってしまいお昼寝をして起きたらと思ったら18:00…晩ご飯にゴーヤチャンプルーを作って食べ、ランニングに行って今日はおしまい。心も体も調子が悪い1日で、これからについて絶望した気持ちになっていた。何をするにしても努力は必要なのに、それが面倒くさいとさえ思ってしまう始末…。その日のコンディションでころころかわる自分自身の心に、対処することさえしんどい。今日みたいな日はこの間みたいに大雨で雷が鳴るくらいの天気がちょうどよかった。

わかりやすいように、率直に気持ちが綴られているものをピックアップしてみましたが、自分で読み返しても落ち込んできました…(笑)カレンダーと照らし合わせると、月のものが少し影響していたように思います。

1ヶ月目のあれほどワクワクしていた日々から一転、将来への不安でへばりそうになったり、過去に経験した嫌なこと、受けた理不尽な扱いを思い出し、塞ぎ込むことが増えました。そうこうしているうちに気付いた頃には人に会うことさえ抵抗を感じるように…。

心の奥底では、常に”怖い”という感情がとぐろを巻いていて、何者でもなく、方向性が決まらずにフラフラするしかない今の自分を、一体誰が受け止めてくれるのだろうか…と困り果てているような心情でした。

この頃、特に厄介だった感情が”怒り”。

この人生のお休み期間を設けることに納得していたはずにもかかわらず、当時はまだ、それを素直に受け入れられていなかったよう…。

その状況になってしまった原因や、自分の感性を過去に傷つけた犯人を探すことを行ったせいで、怒りの感情が沸々と湧き上がってしまい、機嫌よく毎日を過ごしているふりをしながら、内心ではイライラした気持ちが収まない時期がありました。

そんな状況でしたが、冒頭でお伝えしたように、せっかく休むのだから、感情を素直に味わうことを、自分に許してあげようと離職当初に決めていたため、自分が怒りを抱いている状況に気づいた時は、今回ばかりはこの感情を無下に扱わないようにしよう…腰を据えてこの感情と向き合ってみようと決心しました。その上で自分の気持ちを時間をかけて観察することで内省し、感情が自然に消えてゆくまで待ちました。

(その時のことはまた後日、別の記事にしたいと思っています。)

この経験から思ったことは、ネガティブな感情を抱いた時は、変にそれを紛らわそうとするのではなく、それと向き合うことを決めること、そして心に浮かぶあらゆる気持ちを眺めて感情を味わい尽くすことが、次の一歩を踏み出すための大切なアクションの一つかもしれないということです。


離職して3ヶ月ー 内省しつつ、これからの自分をぼんやりイメージしてみる

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仕事辞めた day58
詩歌文学館へ。展示を見て、ベンチに座ってその時心に思い浮かんだことをひたすらノートに書き殴る。そうして気づいたのは、これまでの人生においての仮定を”全ての人は私のことをわかってくれない”というとっても悲観的な設定にしていたということ…ふと気づいたのだけど…これはわたしの心の奥底まで染み付いていた概念じゃないだろうか…?そうではなくて、”わかってくれる人も、わかってくれない人もいる”のではないだろうか…?

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仕事辞めた day77
ひとりでいたい”と思いながらもやっぱり人と繋がりたくて、”ひとりは嫌だ”と思う。”ひとりは嫌”と思いながらも”つながりが鬱陶しい”と思う瞬間がある。なんて天邪鬼でわがままな自分…。ひとりでも力強く生きる人を尊敬の眼差しで見つめる時もあるけど、ひとりの力で完璧を整えることが、わたしにとっての幸せなのかと問われると、そうじゃないかもな…とも思う。心に浮かぶいろんな矛盾について考え込む。

離職して3ヶ月になる少し前から、ひとりで日本縦断の旅へ出かけました。自分の感情と向き合い続けた為か、息が詰まりそうになっていたので、思い切ってしばらく環境を変えてみたのは結果的によかったです。

旅の道中も内省は続きましたが、旅ならではの移動時間や、あてのない散歩が自分が好きだったこと、大切にしていたことを思い出すきっかけを与えてくれました。また、旅程を自分で決定していくことを通じて、ちょっとした自己効力感を感じることができたので、なんだか心が前向きになっている自分がいました。

そんな感じで、離職して3ヶ月目は心に浮かぶ”なんかいいな”と思うことをヒントに、これからの自分をぼんやりとイメージするようになりました。この段階では将来への不安はあるものの、過去の出来事を思い出してネガティブな感情に囚われることが全くといっていいほど無くなっており、これに気づいた時は”意識のフェーズが変わった”と直感的に思いました。


離職してからの3ヶ月を振り返って気づく、自分との別れ

こうした気づきから言えるのは離職してから3ヶ月目までの間に、知らないうちに、これまでの自分との別れが訪れていたのではないかということ。

これまでの自分を、どこまでの自分と定義するのかは人それぞれだと思いますが、わたしの場合は離職して2ヶ月経ったころに抱いていた、過去の経験からの怒りを手放せた瞬間がその転換期だったように思います。これまでの自分からのエネルギーがぷつん、と切れたようなイメージ。

不思議なもので、怒りで苦しんでいた頃の思考回路が再現できない程には、今やこれからのことばかり考えられるような変化を遂げてしまっています…。

しかしながら、その別れが訪れたことに関して少し悲しい気持ちになっているのも事実です。自分なりに拠り所にしていた考え方や価値観が変化したということだと思うので、手放したものは多かったはずですし、まだ手放したと気づいていないものも、たくさんあるんじゃないかと想像しています。

手放さないと、手に入らないものがあることはわかっているんだけど…

今感じている、この悲しみという感情が、あたらしい世界を私にきっと見せてくれると信じ、また、会いたいような、会いたくないような気持ちで、これまでの自分に伝えてあげたいです。


『またね。』


🍚 おかゆホテルって? 🍚

・休職中や離職中の方、または検討中の方
・休学中、就職活動中の方
・今の生き方や仕事に違和感を持たれている方
・人生をふと立ち止まりたくなった方

上記のような人生の転換期を迎えた方がまずはゆっくりと休み、自分と向き合い悩み、次の方向性を決めるための対話を提供するホテルです。

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