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【BPO】放送倫理じゃないほう

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BPOサービス事業者での日々の体験をもとに、BPOサービスを考察する記事を執筆しています。◯
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#BPO

バックオフィスBPOサービス選定のための実践ガイド:日本国内の視点

バックオフィスBPOサービス選定のための実践ガイド:日本国内の視点

はじめに
 BPOサービスの利用検討に際して、期待されるものの代表例としては、
・ビジネスプロセスの効率化
・コスト削減
・コア業務への注力
などが挙げられますが、この度は日本国内におけるバックオフィスBPOサービス環境をもとに、利用者側におけるサービス選定時の要件として、「データの処理と保管に関する透明性」の確認を提案します。

日本におけるバックオフィスBPOの現状
 多くのプロダクト開発事業

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【BPOマスタープラン】第2部 - リスクの理解

【BPOマスタープラン】第2部 - リスクの理解

BPO利用の利点とリスクのバランスBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)を利用することには、多くの利点を期待できますが、一方でいくつかのデメリットや懸念点も存在します。これらのデメリットを理解し、適切に管理をすることが重要です。

BPO利用の主なデメリット以下は、BPO利用における主なデメリットの例です:

1. コントロールの喪失

BPO(外部)に業務を委託するため、その業務に関するコン

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【BPOマスタープラン】第3部 - 戦略的アプローチ

【BPOマスタープラン】第3部 - 戦略的アプローチ

BPOのデメリットを軽減するための戦略的アプローチ1部と2部を通して、BPOの利用には、多くのビジネスにおいて効率性とコスト削減をもたらす可能性がある一方で、特定のデメリットが生じる可能性もあることを考えてきました。

この度は、メリットとデメリットへの理解をもとに、 デメリットを軽減するための具体的な対策とアプローチを提案します。

1. コントロールの喪失に対する対策

明確な契約とサービスレ

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BPO再定義:ビジネスを変革する「拡張部署」戦略

BPO再定義:ビジネスを変革する「拡張部署」戦略

オフィスの拡張

従来のBPOサービスの考え方を一新し、それを自社のオフィスの一室を拡張するようなイメージで活用することをお勧めします。このアプローチは、BPOサービス提供事業者を単なる外部サービスとは見なさず、自社の業務プロセスの重要な一部として位置づけることを意味しています。

協力的なパートナーシップの構築

BPOサービスには、自社の目標と戦略に沿った価値を提供し、共に成長を目指す存在とな

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企業ブランディングの未来:デザインの限界とBPOによる新たな価値の創造

企業ブランディングの未来:デザインの限界とBPOによる新たな価値の創造

デザインを超えたブランド価値の追求私たちの多くは、いまだにデザインをブランドのロゴやパッケージ化されたグラフィック要素としか見ていません。しかし、たとえばファンを持つブランドとなるためには、ただ単に製品の外側を整えれば良い訳ではありません。
言い換えるなら、良いデザインが、必ずしもブランドを大きくする充分な要素にはならないということです。

社会との共通興味で築くブランドの価値「社会との共通の興味

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BPOサービスの活用:従業員育成の新しい扉を開く

BPOサービスの活用:従業員育成の新しい扉を開く

1. 社内人材の維持と学習支援

近年、従業員は自身のスキルアップやキャリア開発を支援する企業に魅力を感じ、現職に留まる傾向があるとされています。
その文脈において、社内での人材不足を理由にBPOサービスの導入を検討する企業も少なくありません。しかし、BPOの導入検討が自社の弱点を補う必要をもとにしているとしても、「業務の効率化と戦略的なリソースの最適化を図るための手段」と捉えて検討することが肝要

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継続的な成長とイノベーション:BPOサービスの、苦労と学びの価値

継続的な成長とイノベーション:BPOサービスの、苦労と学びの価値

苦労と学びの価値「苦労は買ってでもしろ」とのことわざがありますが、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の分野においてもそれは深い意味を持つと考えています。
この業界では、常に変化し続ける市場のニーズに適応し、新しい技術や手法を取り入れることが不可欠です。若い時の苦労が自己成長の基盤を築くと同時に、経験を積んだ後の学びが深い洞察と戦略的思考をもたらします。

主要なポイント1.常に学び、成長し

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皇族とビジネスの共通点: BPO導入で解決する人材とリソースの課題

皇族とビジネスの共通点: BPO導入で解決する人材とリソースの課題

はじめに

BPOサービスを導入するという決断は、多くの企業にとって大きな一歩です。特に、「既存の社内プロセスをどのように効果的にベンダーに移行させるか」という疑問は、しばしば検討課題の中心となります。
この段階で丁寧に考えることの重要性を忘れてはいけません。なぜなら、BPOの活用は、単に業務を他のチームに委ねる以上の意味を持つからです。多くの場合、成功の鍵は、BPO導入時のベンダーとの適切なコミ

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BPOにおける指揮命令の役割:企業効率化のための重要な要素

BPOにおける指揮命令の役割:企業効率化のための重要な要素

はじめに
BPOサービスの導入を検討する際に、利用者が理解すべき取り決めに「指揮命令」があります。
今回は、BPOサービスにおける指揮命令の所在について、解説します。

BPOサービスにおける指揮命令の理解は、サービスの効果的な実施と最大の成果を得るための基盤ともなり得るため、この機会にも認識いただくことをお勧めします。

指揮命令とは
指揮命令とは、組織内での意思決定や方針、指示が、①どのように

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BPOサービスの新しい価値観: 顧客中心の共走により持続可能なサービスを作成する

BPOサービスの新しい価値観: 顧客中心の共走により持続可能なサービスを作成する

はじめに
 システム開発において、実際のユーザーデータを用いた製品開発が非常に有効であることは広く認識されています。この原則は、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービス提供事業者にも適用されます。実際の顧客の使用シナリオと課題を深く理解することにより、より効果的で効率的なソリューションを開発することが可能になるのです。

BPOサービス: 顧客との伴走と支援
 BPOサービスは、顧客と密

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BPOサービスの理解:プロセスを外出しするという事

BPOサービスの理解:プロセスを外出しするという事

はじめに
 BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)とは、社内の非コア業務を外部に委託するプラクティスです。
 一般的には、給与計算、会計仕訳データ作成、入退社や異動に伴うシステムメンテナンスなどのバックオフィス業務が含まれます。近年、これら汎用性の高い業務のアウトソーシングを検討する事業者が増加しています。

問題提起
 BPOサービスは、単なる業務委託とは異なり、プロセス自体の委託を伴います

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ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の最適化:システムとベンダーの選択

ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の最適化:システムとベンダーの選択

はじめに
 現代のビジネス環境は、常に変化し、進化する必要があります。自社に合ったシステムを導入することは、業務をスムーズにし、市場での競争力を維持するのに有効です。

 BPOサービスの導入は、この過程においても重要な役割を果たします。

BPOベンダーのスキルの確認
 BPO市場には多くのベンダーが存在し、それぞれが特定の分野において特化しています。
 たとえば、クラウドシステムなどの特定のシ

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協業と再委託:BPO事業の複雑な側面を解明

協業と再委託:BPO事業の複雑な側面を解明

はじめに
BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業において、サービス提供は多岐に渡ります。単に自社で完結する受託だけでなく、パートナーシップを組むことで再委託や紹介といった方法も選択肢に含まれます。こうした多様な対応は、顧客のニーズに答えるための緻密な工夫を必要とします。

問題点
しかし、再委託に関する理解が不十分であるため、時にはリスクを伴う判断を下すBPOベンダーも存在します。この誤解

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BPOサービスの現場から:心構えの話。

BPOサービスの現場から:心構えの話。

今日の出来事
 夕方、チームの一員が深いため息をついているのを見かけました。その理由は、「システム設定漏れが多い」というものでした。
 初めは、システム設定チームの対応不備と思われましたが、実際には、システム導入時には指定されていなかった追加の設定項目が複数発生していたのです。

問題の核心
 この状況は、BPOサービススタッフとしての心構えによっては、本来問題になるべきではありません。

 なぜ

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