調査をやんわりお断りする話
「探偵ってなんでもしてくれるんでしょ?」そんなスタンスで相談に来られる方が時々います。答えはNOです。
探偵は特別な資格が必要なわけでもなく免許も特権もありません。一般人にできなくて探偵にしかできないことは法律上ありません。(探偵業届け出を提出する義務はあります)
なので探偵が行う撮影や尾行も、対象者にバレて被害を訴えられればOUTです。探偵がストーカーになるケースもあります。そんなリスクが伴う仕事、それが探偵です。
さて、先日こんなお問い合わせがありました。『彼女の自宅を割り出してほしい』と。はい、すでに少し雲行きが怪しいですよね。彼女なのに家を知らないんですか?って聞きたくなってしまいますよね。でも探偵というのは困った人の正義の味方、最初っから話も聞かずにはねっ返すのはよくありません。詳しく話を聞いてみることにしました。
「彼女さんの自宅割り出しが目的ということですが、付き合ってる期間はどれくらいですか?また彼女さんの自宅に行く機会はこれからありそうですか?」
『付き合ってまだ半年くらいです。家が片付いてないとか言われて行ったことはありません。都内だとは思うのですが』
”まだ”半年。普通、半年も付き合っていたらお互いの自宅に行ったりしないもんでしょうか。今時の子はこれが普通なんですかね。ちなみに電話口の方は声的にアラサーくらいでした。
こういったご相談は真偽の判断が難しく、下手をするとストーカー行為を助長することになりかねません。慎重に対応する必要があります。ここで私から一つ提案をしました。
「彼女さんと食事などに出かける日に調査するのが得策です。ご相談者様と別れたあと彼女さんを尾行して自宅を判明させますので、予定を立てていただけますか?」
『、、、、、すいません。近日中に合うのは難しくて、勤務先とかから追ってもらえないですか?』
「大変恐縮ですが、特に急ぎでなければ、関係性の証明もかねてご提案した方法が望ましいのです。恋人の関係を証明できるものがないと判明した情報もご提供できかねますので、お写真などお持ちでしたらそれでもいいのですが」
『、、、、わかりました。また連絡します』
「かしこまりました。またお待ち、、」
プツッ、、、ツーーー、ツーーー、ツーーー。
何に焦ったのかこちらが話してるのにも関わらず電話は切れてしまいました。
もし、本当の恋人だったら、デートくらいします。写真も一枚くらい撮ります。なんなら半年付き合ってたら自宅のおおよその場所くらいわかるはず。探偵の感が言っていました。今のはストーカー予備軍だと。
目の前の売り上げ欲しさに怪しい依頼を受けてしまう業者がいるから、こういった問い合わせがなくならないんだと感じます。もちろん当事務所ではなるべくたくさんの依頼を、特異な相談だとしてもお受けして解決したいと考えています。しかし、その良心(売り上げ欲しさはある意味悪心)を利用して犯罪に手を出そうとする輩がいるのも事実。
そこの判断をしっかりとして、健全で誠実な探偵であり続けたいですね。なんなら当事務所はストーカー調査も取り扱っているので、被害に合っている方はぜひご相談ください。最後までお読みいただきありがとうございました。
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