『読み・書き・そろばん』と言われる基礎能力。

よみかきそろばん【読み書きそろばん(読み書き算盤)】

文字・文章を読むこと,内容を理解して文章を書くこと,および計算すること,ならびにそれらができる能力をもっていること。とくに近世末期以降,初等教育における基本的な教育内容とされ,また初等教育で獲得させる基礎的な能力・学力をいう。読み書き算ともいうが,日本では幕末から明治にかけ,計算は主としてそろばんで行ったので,これを〈読み書きそろばん〉といってきた。英語では,これに〈スリーアールズ〉(読み・書き・算を表すreading,writing,arithmeticの3語にRがあるので,3R’sという)の語をあてる。

世界大百科事典 第2版

現代風にいうならば、
読み=読解力・理解力
書き=語彙力・表現力
そろばん=計算力・商才
といった感じでしょうか。

昔からこの3つが備わっていることは、生きていく上で欠かせないものでした。


明治以前は現在のような学校もなかったため、子どもたちに一定レベルの教育を受けさせることは難しかったのでしょう。

日本は元々、寺院で教えを説くために寺子屋という文化が根付いていました。
江戸時代に入り商業が発達するとともに、文書による勘定元帳が普及します。そのため町人は、文字の読み書きや計算が必須となります。
そこで、寺子屋による指南が行われるようになりました。いろはに始まり、そろばん、歴史、道徳など、生きていくための基礎能力を身につけることができたそうです。
江戸時代中期、都市部の就学率は70〜80%とも言われています。当時のイギリスは10%未満だったとか。

ここから、師から習い学ぶ『教育』の形が定着していきます。

やがて明治に入り、小学校を整備するにあたり寺子屋を活用します。また一部の寺子屋の師範は教員として登用されたそうです。

これが現代にも受け継がれ、『読み書きそろばん』は初等教育から必修科目として学び習うようになったんです。




では現代版の『読み・書き・そろばん』にあたるものは何でしょう?

さながら『パソコン・スマホ・インターネット』というところでしょうか?

パソコン=文書処理・表計算などの書類作成能力
スマホ=連絡手段・スケジュール管理などのコミュニケーション能力
インターネット=検索・SNSなどの情報収集・伝達能力

このあたりをフォローしているでしょうか?


できて当たり前、使えて当たり前の『常識』は、時代とともに変化します。

就転職活動においてよく見かけるのは「パソコンスキル」「Word・Excel・Powerpointが使える方」「パソコンやインターネットに詳しい方」など。
単なる知識ではなく、使いこなせる能力=リテラシーが備わっていることが条件になっているようです。

大半の方はプログラミングまで行うことはないでしょう。
でも、ワープロソフトで体裁よく文書を作ったり、表計算ソフトで関数を使って集計したり、インターネットで移動ルートを検索したり、訪問先企業の情報を事前にチェックしたりと、当たり前のようにパソコンやスマホ・インターネットを使って仕事をしています。

問題は、「その仕事においてどの程度の能力が求められるのか」です。
こればかりは求人要件だけでは把握できませんし、作業によっても程度が異なります。

だからこそ、使いこなせる能力は高いほどよいのかもしれませんね。




企業における経営資源は『ヒト・モノ・カネ・情報』です。

社会のインフラは『電気・ガス・水道・インターネット』です。

もはや私たちの生活にデジタル機器は欠かせないものとなっています。

現代版の『読み・書き・そろばん』は、これからも進化していくのでしょうね。



明日も佳き日でありますように

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