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#85 母親が毒親になりやすいのは必然でしかない。

この記事は、

✓自分が毒親になりそうで怖い
✓毒親にならないための方法を知りたい

と考えている方へ、毒親育ちで、現在はママになった私の見解を紹介します。私と似た境遇の方に参考になったら嬉しいです。


母親と父親、毒親率が高いのは?

Twitterのフォロワーさんにアンケート協力していただいた結果、毒親率が高いのは母親。回答では80%となりました。

回答数があまり多くはなく、結果の有効性は微妙です。が、書籍をはじめ、毒親問題を語るうえで母と娘の関係が取り上げられやすい傾向があるため、どちらかと言うと母親が毒親になりやすいと推測されます。


母親が毒親になりやすい原因

このアンケート結果を見て、私は「そうだろうな」と感じています。想定される原因は以下の通り。

①毒が世代間で継承される
②子育てのワンオペ化が常態化される
③働き方を強制的に変えざるを得ない
④無償労働が激増する
⑤夫婦間で家事・育児の話ができない

女性の毒親化は「女性の一極化」だと考えています。それで良好な関係を築く夫婦・家族もいますが、家族運営における責任と義務のバランス、コミュニケーションの頻度が影響しているのではないでしょうか。


毒が世代間で継承される

毒親の毒は、何世代にもわたって継承されることがあります。

今はインターネットや本で調べれば、育児情報を気軽に入手できます。自分の育った環境がおかしいと気づいても、子供が同じ思いをしないように育児法を微修正したり、矯正したりすること自体はできる環境です。

しかし、自分の親世代、祖父母世代にそういったことはありません。育児の専門書はあったとしても、どちらかというと口頭や手探りで奔走することが多かったでしょう。

特に親から言われたことを絶対と判断し、鵜呑みにしてしまうこともあったハズ。家庭内に毒のある状態が普通であると思いこんでしまい、毒親と化してしまいます。


子育てのワンオペが常態化される

子育てにまつわるすべてのことを母親に一任する家庭がまだまだ多いからです。

2022年4月から男性の育休取得が義務化されるようになりましたが、否定的に受け止める企業が多数派となると、実効性はほとんどないでしょう。

男性(夫)が育休を取得しても、どこまでこなしてくれるか未知数の人。がんばろうとする姿勢は感じていても、男性の仕事が中途半端で、女性が尻拭いすることとなりかねません。女性の立場からすると、家事・育児の担い手として頭数に入れるのは、かなりリスクです。

時折、ネットニュースを中心に男性の育休が取り上げられていますが、個人的にごくわずかだと想像しています。女性が育児の担い手という考えが親世代から変わらずに踏襲されているので、子育ての責任が女性ばかりにのしかかっています。それをプレッシャーと感じて、メンタルに悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。


働き方を強制的に変えざるを得ない

仕事をしている女性の場合、育休を経て、

  • 現職に復職する

  • 現職を退職する

  • 転職して働き方を変える

という選択肢から選ばざるを得なくなります。復職する場合、時短勤務でできるかもしれませんが、企業によってはそれができず、子供の保育園入園と同時にフルタイム勤務ということもあります(身近にいるママ友で、復職した方は100%後者でした)。

私は復職して良かった派ですが、それでも就業規則によって時短勤務にするしかなく、収入減。企業や同僚の立場からすると、「働けるだけいいじゃん」って話にもなりますが、働きたいのに十分に働けないという状況はメンタルへの影響が大きいです。

もちろん、仕事と育児の両立が難しいときは退職を選択せざるを得ません。身近なママ友で、育児のために仕事を辞めざるを得ない方もいます。出産・育児が人生のターニングポイントになるとはいえ、重要な決断を女性だけに負わせるのは不公平だと感じずにはいられません。


無償労働が激増する

働き方だけで言えば、男性よりも男性の方が育休を取得しづらい(できない)ので、家事・育児の負担が女性にのしかからずを得ない……というのは100歩譲るとします。

が、男性の働き方は独身時代とほとんど変わらないし、付き合いでも飲み会(外食)に行きやすかったり、変わらない状況を謳歌できることに羨ましさを感じます。それでいて、仕事で疲れていることを口実に、休日はのんびりしてお昼寝したりゴロゴロできる。その間の家事と育児は女性任せとなると、収入に見合わない重労働をしていることに絶望的な気持ちになります。

この点、私はnoteでのアウトプットをはじめ、自分のやりたいことをそれなりにできている状況なのでマシです。が、気持ちを発散できる場がないと追い詰められて、子供の言動に過敏に反応、毒親化に近づくんじゃないでしょうか。


夫婦間で家事・育児の話ができない

夫婦の関係性で変わることですが、家事・育児に興味も関心もない男性が多いんじゃないかという印象がぬぐえません。

家事・育児のことをわからないんだとしても、女性の話を聞いてあげるだけでも十分なんです。フォローって、仕事だけじゃなくコミュニケーションでも大事なのかなと。男性の家事・育児への無関心が家庭内ヒエラルキーにも影響して、家庭内で男性の立場がないという状況にもつながっていくのです。

男性の自業自得、因果応報……と言えばそれまでのことです。が、これが原因で「家族運営がんばらなきゃ」と女性が思うほど、女性の女帝のように君臨して、パワーバランスにゆがみが生じた結果の毒親化はないでしょうか。


自分が毒親にならないためにできること

結婚・出産・育児において、毒親育ちには色々な考えがあります。たとえば、

  • 毒親の二の舞になりかねないから、子供はいなくていい

  • 毒親と同じにならないように、育児をがんばる

  • 毒親の記憶を上書きするために、育児をがんばる

といった具合です。私は、独身時代に「子供はいらない」と思っていたし、紆余曲折あって結婚・出産・子育てをして「自分と同じ思いをさせない」という使命感で子育てをしているので、どの考えも正解だというのが本音です。が、子育てをしている今でも、「自分が毒親になたないためにはどうすればいいか」を定期的に考えています。

具体的には以下の通り。

✓子供と適切な距離感を保つ(見守り優先)
✓子育て相談は保育園の先生に頼る
✓自分がやりたいことを諦めない
✓やりたいことは超細分化してスキマ時間に実行する
✓すべて完璧にこなそうとするのをやめる
✓できないことはやらない(時に諦めも必要)
✓自分のがんばりを認める(両立はかなりハード)
✓しんどいときはSOSを出す(頻度は少なめ)
✓睡眠時間を6時間以上確保+しっかり食事をとる
✓改善の見込みがないときは、相手を見限る(離婚も視野に入れる)

ポイントは、「自分ができることだけに着目すること」です。身体的・精神的疲弊の積み重なり、自分に対する無力感が毒親化を助長させかねません。そのリスクを減らす取り組みが毒親化の予防策になります。毒親育ちだから毒親になる可能性が高いのではありません。

男性が何を言ってもムダ、自分のストレスが減らない(むしろ増えて心身に影響が出ていると感じる)なら、早めに見限るのも選択肢に入れてください。子連れ離婚が大変なのは重々承知ですが、自分に悪影響を及ぼす人とずっと一緒いる必要はありません。あなたが我慢する必要もありません。


まとめ:毒親育ちが毒親になるとは限らない

この記事では、

✓自分が毒親になりそうで怖い
✓毒親にならないための方法を知りたい

と考えている方へ、毒親育ちで、現在はママになった私の見解を紹介しました。少しでも参考になれば嬉しいです。

子育てをしている今、「毒親育ちだから毒親になる」という考えは、独身ならではの思い込みなのかなと感じています。人は自分が経験していないことを否定的にとらえる性分だし、毒親育ちほど親と自分を同化させやすいので、不安が大きくなりやすいのではないでしょうか。

私も例外なく、この思い込みで30歳で離婚してから「結婚なんてくそくらえ、子供なんてまっぴらだ」と思っていた派。その思い込みも肯定するし、逆に批判する人がいるなら「そういう考えも許容して」と言うでしょう。

ただ、令和になっても昭和の価値観を引きずっている人が多数派の世の中では、毒親になるリスクは誰にでもあります。毒親育ちはそのリスクが若干多いくらいなので、そのリスクを理解・意識しておけば子育てで毒が漏れ出して子供に影響を与える……といったことはないでしょう。

毒親育ちだから、結婚、出産、育児をあきらめなきゃいけないわけではありません。むしろ、毒親育ちだからこそ、自分の望む人生を手にするべきなのではないでしょうか。


このコラムでは、毒親育ちママの私が、子育てや仕事で考えたこと、感じたことをざっくばらんに紹介しています。「子育てが不安」「悩みを聞いてほしい」などのご相談がありましたら、事情がわかる人に話すのがイチバン!下記よりご連絡くださいね。

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