見出し画像

適正価格ってなんだろう?

鳥取県鳥取市で主にホームページの制作を行っている合同会社フットでWebディレクター兼エンジニアをしている岡村といいます。

このnoteを書いている時、僕は2021/4/24(土)に迫ったウェビナーの準備をしている最中です。ウェビナーの詳細はこちらを御覧ください。

Web制作の現場を中心に「見積書」をテーマとしてお話するのですが、その中で今回の記事のタイトルにも入れた「適正価格」というキーワードについて考えることがあり、この2〜3日時間があると考えをめぐらせていました。

なんとなく自分の中では結論が出ているのですが、自分の頭の整理も兼ねて記事にまとめた次第です。

「適正価格」に頭を悩ませている人がいる

イベントの開催にあたり、チケットの申込時に簡単なアンケートを取らせていただいたのですが、その中の項目の1つに「現在、見積書のことで困っていることがあれば教えて下さい。」というフリーワードの質問を付けていただのですが、その中に「自身の適性価格(単価)が分からない」といったご意見をいくつか頂きました。

つまり、誰かからお仕事を依頼され「いくら?」と問われた時に「うーん、いくらだろう?」と悩まれているのだと思います。

なお、僕の考えとしては「適正価格はあって無いようなもの。自分で決めて良いと思うよ!」です。

誰にとって適正なの?

おそらく、頭を悩ませる一つの理由として「適正」の基準が複数あるからかな?と思います。きっと主語が違うんです。

1.お客様(予算に収まるか否か)
2.業界(同業他社の出す価格に近しいか)
3.自分自身(行った活動に対する報酬)

お客様からしたら、予算に収めることが「適正」の最低限の期待値で、クオリティが変わらないのであれば、安ければ安いほど嬉しいと思います。

業界としては、なんとなく「一般的な価格」みたいなものは存在していて、Webサイトの制作でいえば「トップページデザイン◯◯万円」といったものもありますし、制作会社さんなどのホームページでも価格を公開しているところもあります。

ただし、それも一律というわけではなく、それぞれ微妙に異なります。地域差もあるっぽいですよね。正直僕も分かりません。

その中で、著しく低価格で商売をすれば業界内で価格崩壊が起きて低価格のスパイラルに陥るかもしれません。価格を上げ過ぎれば価格競争で負けてしまい注文が入らない。ということにもなります。

だから「適正価格ってなんだろう?」と頭を悩ませる事になるのかなと思いました。

まずは、自分主観で価格を決めて良いと思う

企業によっては、すでに価格設定のルールや考え方が決まっているかもしれませんので、該当するとしたらフリーランスの方やこれから起業するような、ある程度価格設定に対する裁量をもった方かと思います。
(組織に属している方でも、これまでとは違う事業を立ち上げるにあたって、価格設定をしないといけないという場合も該当するかもしれませんね。)

さて、「まずは、自分主観で」と言っている理由ですが、至ってシンプルです。

「赤字になったら、会社が潰れるから(食べていけないから)」

これに尽きます。
いくら仕事を受けても価格設定が赤字になれば資金が回らず自転車操業になり、やがて資金ショートしてしまいます。
ですから、活動した分は必ず回収でき、事業が存続できる価格設定であることが大前提だと思います。そこにお客様や業界の基準が入り込む余地はありませんし、それらを考慮するのは営業する時だと思います。

自分の時給を考える

最低限、事業が回るためには収支が+-0(収支トントン)にしなければいけませんから、そのために必要な総売上はいくらか?を考えます。

そのためには、活動する人の人件費(お給料とか)であったり、事務所が賃貸であればその家賃であったり、インターネットの回線費用であったり、様々な経費も考慮しなければいけません。

次に、ご自身が活動する時間を算出します。

週休二日で1日8時間働くのであれば、1ヶ月で約20営業日ですから160時間が月間で利用できる1人あたりの工数になります。年間なら1920時間です。
これを先程算出した年間の総売上で割ることで、時給が算出できるはずです。

年間の総売上が1500万の場合
1500万 / 1920時間 = 7,812.5円

これがあなたの時間単価です。(非常にざっくりしていますが…)

ただし、これは平日休みなく働き、それに対してもれなく報酬として得なければ達成できません。人によっては不稼働の日や時間があるかもしれませんし、繁忙期や閑散期がある場合は、安定して稼働できない事もあります。
ですから、そういったリスクなども考慮して時間単価は考慮しなければなりません。

ここまで算出すると、活動や工程に対してかかかる時間(工数)が分かれば、自身が必要な(最低限の)価格が算出できます。

大切なのは工数の見積り

僕たちの場合は、工数ベースで価格を設定していますので、活動にかかった工数分は費用としていただきます。もし、見積もった以上に工数がかかってしまうと、それは赤字となります。(だからスケジュール管理は重要です)

逆に、業務効率の改善や知識の向上、ツールや設備の導入で工数を削減できれば、それは利益となります。

ですから、工数の見積りは非常に重要です。

価格よりも、工数を算段するほうがやりやすいですよね。
過去に対応したことのある活動(デザインの制作や、マークアップなど)は過去の実績を元にどのくらいの工数が必要か判断しやすいと思います。

経験が無い新しい活動を対応するとしたら、事前に検証したり調査することで、活動に必要な工数がある程度見えます。
そして、実践し、見積もった工数が妥当であったかチェックします。
これを繰り返すことで、工数の見積り精度も向上します。

価格が「他者より高い」と言われたら

僕は「競争社会なのだから仕方がない」と割り切るようにしています。
他者の方が、同じ仕事を自分より安く(少ない工数)で対応できるということです。(実際にはそうではないケースもたくさんあると思います)

ですが「だから価格(単価)を下げる」という理由には直結しないと思っています。前段で記載したように、価格を下げたら赤字になるからです。

ここで自身が取る選択肢としては、

・よりスキルを高めて工数を削減できる努力をする(どこかで限界は来る)
・高くても選ばれるための提案や付加価値を持つ

もし、経験が浅く実績も少ない場合は、収める成果に対してかかる工数が他者よりも多いかもしれません。それは単純に実力不足なので、工数を削減する努力をしないといけません。

工数が妥当(これ以上削減できない)であれば、全体の工数を抑えるための提案(ボリュームを減らすなど)をしたり、同じ工数でも他者よりも成果に繋がりやすい(例えば、集客効果が高いWebサイトを作れるとか)とか、お客様にとって仕事がしやすかったり、安心感がある、多くの実績があるといった付加価値を付けることで、他者より高くても予算に収まれば発注されることはあります。

その他にも、仕事を受ける人のキャラクターや性格によって、お仕事をお願いしたいと言われるケースもありますが、これも付加価値の一つなのだと思います。「価格はいいんだ、あなたにお願いしたい!」とか言われたいですよね。

決して、価格面だけで他者と競争するのではなく、提案力や戦略、人のネットワークなどあらゆるものを駆使してお仕事を受注した方が長い目で見て強い営業力になるかなと個人的には思います。
(あと、何って、無茶な予算で受けた時に必ず誰かにしわ寄せがいくので、それだけは避けたいと思っています)

つまるところ、価格設定と営業戦略は別で考えた方が良いのでは?と思うわけです。

さいごに

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
色々と脱線してしまいましたが、まとめますと以下のような感じでしょうか。

・適正価格って誰にとって適正なの?
 →まずは自分だよ!

・どうやって決めるの?
 →自分に必要で無理のないものを設定しよう!
 →売上目標から時給を算出してみてはどうでしょう!

・他より高いって言われた…

 →潔く諦めよう!
 →でも、努力も大切よ!

もしよろしければ、色々な方のやり方やご意見もいただければと思いますので、Twitter等で絡んでいただければと思います!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?