オンライン化によって学費は下げられる

 オンライン教育が進んだことによって学生は学校に行かずとも学業を行えることが明らかにになった。これは教室が絶対必要とされたこれまでの固定観念が変化するきっかけになったと考えられる。

コロナ以前の教育は教員と学生が同じ教室の中で共存し、教育を受けるというスタイルだった。教員も学生も教室までの移動が必須であり、さらに必ず教室という空間が必要だったためその分のコストが生じていたわけである。教室を利用するがゆえに学校側は学生数に応じた空間の確保、または学生数の減少によって余った空間の再利用など考えるものが多かった。

しかし、インターネット上による学習が日常化すれば教員も学生も教室まで足を運ぶ必要がなくなる。これは教室という空間が絶対ではなくなったということを示している。実習のようなものを行う教室さえ確保すれば後は必要ない。完全オンラインでの教育が可能になるのだ。

このような空間の維持費がなくなれば、学費は下げられる。現実空間を利用するから生じるコストというのはたくさんあり、これらの積み重ねが学費に直結しているのだ。学習のオンライン化によって学校側は空間の必要性を失い、大幅に空間的規模を縮小できる。

現状の空間を維持するコストが減少し、最低規模で多くの学生をオンラインを通した授業に切り替えてもらえば運営コストは大幅に減少するのだ。空間の拡大を続ける大学も実習関連だけ残して全て削減すればいい。このような運用コストの減少を行うことで学費は現在より間違いなく減少することができる。

特に大学は講義の多様化をするか、大学が講義をオンライン販売をすることでこれも大幅に学費を減少させることに繋がる。Fラン大学などといって大学を偏差値による階層で見ることが常識化した日本社会において教育の常識を転換させることが重要だ。

難しい試験による入口の狭さを誇張するのではなく、誰もが誇れる卒業という出口を狭くすることこそが真に学生諸君のためになると考える。常に門戸は広く大きく開きあらゆる学生が望む大学にそして社会で活躍できるような講義をサービスとして提供することが大学側の当たり前であり、今の大学制度は競争力が低い市場のため効率化を図れていない節がある。

これからの教育に空間は絶対ではない以上、空間の拡大にかかる費用は削減可能であり、また講義の多様化、また大学間の講義の交流によって質の悪い教育は駆逐され、サービスとして需要のあるものだけが残る。

こうやって競争力を高めることでサービスの質向上や価格競争が発生し、学生にとって金銭の面で大きな負担軽減が起きることは間違いない。求められるのは大学改革による教育の多様化とサービスとしての教育の変化、脱空間、簡素化が進むことで真に学生にとって効果的な教育サービスの提供ができるのだ。


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