加藤陽子氏が教えてくれた官僚統制の問題

 国民の負託のない官僚の統制は幸福増進の道ではない。

 この言葉には大変共感できる。官僚による統制は国民の自由な経済活動を蝕み、社会に悪い影響を与えることは、はっきりとした事実だ。まさかこの言葉が私とはまったく考えの違うであろう加藤陽子氏から発されるとは思いもしなかった。

現在、加藤氏は日本学術会議問題で菅総理に人事で蹴られ、反発している身だ。その加藤氏が官僚による行き過ぎた統制を批判している。私はこの記事のその部分を読んだ時、もしかしたら行革に積極的賛成なのではないかと感じてしまったほどだ。

私は加藤氏のいう菅総理による人事権の行使が違法だとはまったく思わない。それは多くの知識人も触れていることだ。

その一例を下に。

 だが、加藤氏のいう官僚統制批判には賛成だ。

だからこそ加藤氏には

「国民の負託のない官僚によるレジ袋の有料化という規制」や


「租税法律主義に反する環境省の事務次官」

を積極的に批判してもらい、官僚の統制がいかに国民の幸福を妨げているのか学者の立場から官僚たちに教えてあげてもらいたい。

学問の自由を掲げる加藤氏はきっと学術会議の民営化にも賛成してくれるだろう。でなければ、最初に引用した言葉との間に矛盾が生じる。民営化した学術会議に総理の人事権が行使される可能性は断じてない。なぜなら民間の学術団体に圧力をかけることこそ学問の自由に反するからだ。だからこそ、今回の加藤氏の言葉は是非とも環境省を中心とした官僚に届いてもらいたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?