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政治家の会食は問題か

 フランスのマクロン大統領がコロナウイルスに感染したことが17日に報じられた。フランスでは現在、日本とは比べ物にならないほど感染者が増加しており、フランス政府は国民に夜間外出禁止や4人以上の外食を行わないように規制している。

このように国民に我慢を強いているマクロン大統領は積極的な欧州外交を行ってきた。極力対面で行いたいのか、感染発覚前にはスペインのサンチェス首相やポルトガルのアントニオ首相と会談するなど過密なスケジュールで活動していたようだ。

フランスのテレビ局F2が今回の感染に関して疑問を呈した内容はマクロン大統領が閣僚たちと会食したということであった。

マクロン大統領がカステックス首相や与党党首などと会議を兼ねた会食を実施したことについて、そしてその後感染発覚ということも含めて、国民に我慢を強いながら自らは複数名での会食が許されるのかという問題提起はつい最近、日本でも提起された内容だ。マクロン大統領の会食について参加していた元内相は十分適切な距離を取って行われ、さらに政治家は国運を左右する立場にあるのだから、このようなことは許されると発言していた。

 日本ではこのような会食に参加した側の言い分というのはなかった。記者が参加者を質問攻めにし、菅首相は謝罪するという形で収まったが、私は別に説明さえすれば謝罪の必要はなかったと考えている。政治家は国運を左右する立場であることは間違いないのだから、会食を兼ねた政策会議や意見交換会は仕事の範疇として例外にされてもいいのではないだろうか。

今回の批判を受けて、二階派や岸田派が忘年会をやめたという報道を見かけた気もするが、これは論外だ。フランスと日本では感染状況が違うわけで、さらに言えば「Go to」が感染増加の要因となったという事実確認ができていないにも関わらず一時停止となったことは残念でならない。

定期的に矢面に立たされる尾身会長も大変だと考えるが、政府が行うべきは菅首相も所信表明演説で述べていた通り経済対策と感染対策の両方を行うことだ。国民にメリットのある会食であれば、私は問題ないと考える。再び非常事態宣言を出すべきというとんちんかんな意見を述べる識者もいるようだが勘違いしてはいけない、政府はコロナウイルスを撲滅するのが仕事ではない。いかに感染者数を抑えつつ、経済を好転させていくかというのが重要なのだ。

 飲食店は必死だ。満足な支援金もでないまま、大企業だけが資本に余裕がある分、中小企業よりも政府からの恩恵を受けやすい現状がある。

もっと下にやさしい経済政策、支援策を打ち出すべきだ。国民は菅首相にコミカルさを求めているわけではない。堅実に仕事をこなす実直な菅首相を求めているのではないだろうか。首相になって仕事がしにくくなっているように見える。抵抗のないところでは仕事を進め、難しいところは慎重にやっているようだ。菅首相の基本方針に私は共感できる分、是非とも期待したいものである。

 最後にフランスと日本のメディアの報じ方の違い、そして主催して余計な問題を引き起こした二階幹事長を見ると改めて日本社会を悲観してしまう。


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