小池百合子が国政に復活する道
今年の度重なる選挙に向けて、都政を通じてパフォーマンスを行っている小池都知事は今後どうやって国政に復帰するのか。彼女が国政に復帰するにあたっては野党連合の代表としての復帰か独自政党からの復帰、最後に自民党からの復帰の三つの選択肢があると考える。
現在最も可能性が高いのは自民党からの復帰だ。野党連合は2017年時の「排除」発言からも見えるように立憲・共産と協力するとは思えない。彼女のイメージは「保守(右派)」というイメージでありこれを崩すような戦略は取らないだろう。
では、独自政党からの復帰はどうだろうか。これも難しい。なぜなら「都民ファーストの会」は都政限定で勢力拡大できたが、国政における「希望の党」はその後も勢力拡大を出来なかった。
ゆえに新しく政党をつくって国政復帰はないように思える。となれば、彼女は自民党からの復帰となるがこれはどのようにして可能なのか。
まず自民党の特徴だが「与党でいたい」という欲望が極端に大きな政党だと考えてもらいたい。ということは基本安定した議席数が欲しいし、選挙で敗北するにしてもその規模が極力少なくしたい。そのため選挙で勝てない総裁に対しては大変厳しい。
現在の菅政権はまさにこれである。そのせいもあり菅批判は野党だけではなく、与党内からも聞かれるようになった。「ポスト菅」を狙う有力議員たちは四月に行われる補選と七月の都議選の結果次第で九月に控える総裁選での勝利のために攻勢を強めることだろう。
選挙で負けないためには人気のある候補を味方につけることが自民党にとって重要なのだ。となれば、小池百合子氏が自民党復党後に国政復帰をする可能性もゼロではない。自民党内に派閥を持たない彼女がどうやって党内で勢力を拡大させるのか。これは二階氏に握られているといっても過言ではない。
二階派は派閥内の議員に総裁候補なるような議員がいないのが問題だ。そのため総裁候補になるような議員を派閥統合によって組み入れることは十分にありえる話である。この場合、その候補となるのが小池氏と石破氏だ。両者とも党内での勢力は少なく、独自で総裁になることは難しい。
しかし、ここで二階派と統合することで党内での影響力を拡大し一気に総裁の座に近づく。これは国政において危機に近づくと言っても過言ではない。小池氏は都議選で勝った勢いで自民党に復党し二階派を味方につけて(希望の党の議員も自民党に合流させて)派閥を形成し総裁選に挑む可能性は十分にあるのだ。
都議選も菅政権の支持率次第では自民党は敗北の可能性が高く、そうなれば菅批判の勢いを強めてましな負け方を模索するかもしれないし、小池氏にすがるかもしれない。こうなると先ほどの小池国政復帰路線はより現実味を帯びてくる。あくまで予想に過ぎないがこのような可能性があるということを知っておいていただきたい。
ちなみに菅政権はオリンピックを開催して支持率を回復させようとしているが、これは現在の状態では難しい。コロナへの危険性が払拭できてないからだ。私が考えるにコロナは60代以上には危険だが、20代にとってはインフルエンザの方がダメージが大きいと考えている。続々とコロナに関する分析が発表されている中でコロナを極端に恐れる現在の方向性を変えなければ、たとえワクチンがの普及がある程度できても支持率の爆上げにはならない。
コロナの危険意識を政府が主導して変えていく必要がある。こうすることでパフォーマンス重視の政治家たちとの対立構図も変わってくるだろう。パフォーマンス重視は自分の支持基盤や選挙を基軸にして話すので風向きが変わるとおとなしくなる。
小池氏も国に責任を押し付けながらもオリンピックを開催したいという意思はあるように思う。となれば、コロナが極端に危険だという言説からの転換を図り、コロナ対策優等生として率先してそれなりのワクチン給付でもオリンピック開催に疑義がないように説明しなければいけない。今のちぐはぐな方針では菅政権は支持率を失う一方で小池氏の復活を招きかねないのである。
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