全ては問いから始まるー「勝つための論文の書き方」鹿島茂(著)
「なぜ?」「どうして?」幼少の子供にこう詰め寄られると苦々しい思いをさせられます。私にもまだ小さいいとこがいるのですが、ちょっとしたことから質問攻めをされて疲れることが多々あります(笑)
ただ幼少の子供たちが行う「問い」から「問い」への発想の連続というのは大切なことです。
まさにこの「問い」が社会の原動力であり、イノベーションのヒントに繋がっていきます。
本書は題名に論文と書いてはありますが、ビジネス文書(企画書や計画書)の制作にも使える文書作成のヒントや作成にあたっての心構えなどが書いてある一冊です。
・問題はどこにでもある
どんな組織にも問題はありますし、常に「問い」はあふれています。
「営業成績を上げたい」「第一志望に受かりたい」「あの人の恋人になりたい」これらの欲望はそのまま「どうすれば」という問いに繋がっていきます。
問題はどこにでもあるのです。そしてそこに問いを立てることができたなら、問いを解くために手法を模索し、課題解決を図るという工程を進めていくことになります。
「なぜ」と思っても「まぁいいや」で終わらせてしまうのはよくありません。日ごろから「なぜ」に答えていく、解答を見つけていくということを繰り返さなければ、本当に大事な問題にぶつかったときに何もできなくなってしまいます。
ちょっとしたことでも調べてみると、いろんなことが見えてくるものです。「最近、あの女優よくテレビで見るな」という感覚から「どうしてだろう」と広げてみるのです。
そうすると「若い層からの支持があって、企業のターゲット層に合ってるんだ」「そういえばガーシーは、、、」というように広がって物の見え方が変化するのです。
問題はどこにでもあるからこそ、それを見つけて、答えを導いていく。この経験が自分の成長につながるのです。
・無駄は意外と応用できる
このように問いを解消していく中で、時に「これは無駄な知識だな」「無駄だよ。こんなもの」と思うことがあると思います。
確かに優先順位は大事です。だけど無駄は意外と応用がききます。全く関係のないことに別の分野の手法を持ってくると、あっさり解決ということはよくあります。
無駄は単に無駄というわけではありません。だから食わず嫌いせずにとりあえずチャレンジするのが大切だと思います。
大人になるにつれてなくなっていく「問い」の感覚。新たな発見とはこの忘れている「問い」を丁寧に立てることで得られるのではないでしょうか。
だからこそ、本書は「問い」の立て方から始まり、資料探しの方法、わかりやすい表現方法という形で丁寧に、幼子の感覚を取り戻し、大人の世界に活かす。そんな提案をしてくれています。
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