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トイレアレコレ・8 個室籠城-3


ウン十年前、ベトナム一人旅の帰国日午後、急激な体調の変化に襲われたわたし。
下痢と嘔吐を挟みつつ、なんとか空港へ到着、機上の人となったが…。

前回 トイレアレコレ・7 個室籠城-2 ↓

飛行機の上昇とともに、気分の悪さも急上昇となったわたし。
シートベルトのサインが消えるやいなや立ち上がり、トイレを求めた。

ト、トイレはどこ?!

近くにいたスチュワーデスさんに、倒れかかりながら
I’m feeling bad.」と訴える。

通路を見ると、片側は、ドリンクサービスらしきワゴンが来ており、通り抜けられそうもない。
スチュワーデスさんは、「こっちへ」、と反対側の通路の先にあるトイレに案内してくれた。

後で知るが、そこはビジネスクラスのトイレだった。

そして、そのまま、その個室の便器がわたしの座席になった。

わたしは、時間を忘れて便器に座り続けていた。
上下から出るものは途切れず、その合間には疲労&眠気でウツラウツラしながら、座り続けていた。

とてもじゃないが、席に戻れる気がしない。

途中、何回か一人だけいた日本人のスチュワーデスさんが、大丈夫かとドアの外から声をかけてくれた。
命の危険までは感じていなかったので、大丈夫じゃない声で、大丈夫と答えたと思う。

トイレを占拠して申し訳なかったが、大丈夫的なことも言って貰えた気がする。
ありがたかった。
(でも、今思えば、エコノミーのトイレを占拠するよりは、迷惑ではなかったのかとも思う。対象人数的に)

で、そのスチュワーデスさんに、さらっと「食中毒だね」と言われたのだ。
もしかして、よく見る状況だったのだろうか。
「下痢止めもあるけど、悪いのを出し切らないといけないから、水分は取って」と。

そのとき、そうか、これは食中毒なんだと一気に合点がいった。


実際、持参した「地球の歩き方 ベトナム」では、気を付けることの一つとして、食中毒をあげていた。
生水NGはもちろん、コーヒーに入っている氷にも気を付けろと。
だから、初めての海外旅行一人旅のわたしは、常に注意を払っていた。

屋台的なものも、避けていたし、バイクタクシーのお兄ちゃんが、友達の店??のアイスコーヒーをごちそうしてくれた時は、断ることができず、氷が溶ける前に、一気飲み。
よほど喉が渇いていたと思われたのか、お代わりをすすめられ、断る羽目になった。

そんなわたしが、一体どこで?!

とはいえ、深く考える気力もないまま、トイレ籠城は続くのだった。

泊まったホテルのパンフレットが出てきた。初めてネット検索したら、今もあるみたいだ。
昔はネットが普及してなかったので、国内だってガイドbookで調べるのが限界。
現地に行くまで分からないことがいっぱいだった。


次回 なんとか帰国したワタシと、原因と思しき事で、完結。

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#わたしの旅行記

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