爆弾と時限爆弾
「えー、あいつ確かにかっこいいけど、やめときなよ。爆弾かかえてるよ。」
と、笑いながら目の前の友達が言う。
ええ、知ってますとも。あんだけかっこいいんだもの、色々と素行がよろしくないことも、それをしっかりと自覚されており、下々の民には手を出すが一切の見返りをくれないことも。
優しい子がタイプ?って、本当は違うだろ、今はそうか、あのモデルさんみたいな綺麗で可愛い子がお気に入りなんだっけ?
そばにおいときたい✖️なんかの時に役に立つ、ほんと、すごい欲の塊っぽい。そーゆーとこが微塵も見えないのも、すごいわ。
「いや、知ってて好きなの?報われないじゃん」
報われたくないけど、別に。
「えー。なんでよ。」
報われるはずないってわかってて聞いてこないでくださーい。
「そんなことはないよ笑」
笑ってんじゃん。
お金持ちだし、頭もいいし、まあ真面目に勉学に励んでるからって、遊んでないとも限らないって感じ?マジ人生イージーモードすぎない?私が次人生歩むならああなりたいってだけ、好きだけどその好きは憧れでーす。残念でした。
「ねえ、そんなふうに言わなくてよくない?言い過ぎ。あんたがあいつの何を知ってんの?人生イージーモード?ふざけんな、努力重ねて今があんの。あぐらかいてなんもしてないわけじゃないし!」
え?どしたの急に。
「え、いや。なんだかんだ朝まで頑張ってたりするからさ、あんまりそーゆーの、言うのどうかなーみたいな?」
…朝まで頑張ってる?なんでそんなこと知ってんの?
「いや、だからえーっとぉー。」
なんかあるな、って言えば嬉しそーにスマホから出してくる、彼、の情報。
かぐわしいっていうか、香ばしいね。相変わらず。
最初の爆弾抱えてる、って。あんたのことだったの?それともみんなそうなわけ?時が来たら絶対爆発する気よね?
爆弾呼ばわりされていた君へ、
抱えてる爆弾はきちんと爆弾処理班に処理を願うか、きちんと清算して、本命に一筋であったほうがいいと思うよー。
まあその爆弾、赤と青の線、どっち切っても爆発するとは思うけど。
傷は浅いうちに立て。健闘を祈る。