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無限の魅力、将棋

 将棋は取った相手の駒を使用できるため、永遠に終わらない可能性のある非収束の無限ゲームとなります。このゲームが平安時代に日本で発祥して以来、千年を超えて我々を魅了し続けているのは、非収束の無限ゲームであるにも関わらず、最後は収束する不思議なゲームだからです。
 将棋の収束条件は詰みです。将棋のプレイヤー達はプロからアマチュアまで、勝つ(収束させる)ために、平安時代から積み上げ続けられた勝ち方(収束のさせ方)を自ら進んで学び続けています。勝ち方(収束のさせ方)を模索し続けるために、真剣勝負の場も用意されました。その後、真剣勝負において同一手順や局面がループし続ける永遠に収束しない状況が確認されると、その場合は引き分け指し直しとする千日手というルールが事後的に加わりました。プレイヤー自身に勝ち方(収束のさせ方)を研究させ続け、更に無限ループの可能性を認識する度にルールを改正していくという合わせ技で有限なゲームとしています。
 初心者同士でプレイしても必ず収束するルールが用意されている一般的なボードゲームと比較すると敷居が高く、勝ち方(収束のさせ方)を知らないプレイヤー同士でプレイすることを想定されていません。
 プレイヤー自身に勝ちたい(収束させたい)と思わせる魔法の仕掛けとして、プレイヤーのレベルに応じた魅力的な真剣勝負の場が用意されており、勝てば更にレベルの高い真剣勝負の場が用意されることとなります。将棋に魅了されたプレイヤー達は最強の称号を目指して勝つ(収束させる)ための研究を現在進行形で続けています。しかし、その研究が終わることはありません。非収束の無限ゲームだからです。


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