始まった"壮絶" な「サバイバルゲーム」 ー 「資産防衛」3つのポイント。
"壮絶" な「サバイバルゲーム」に備えて ー 論点整理。|損切丸|note を書いたのが2021.6.22。今読み返すと感慨深い。
当時10年米国債金利が@0.60%台から@1.5%近辺に上がっただけで大騒ぎしていたのだから、「インフレ」に対して大甘だったことに改めて気が付く。今やFRBの政策金利は@5%に達しようとしている。シリコンバレー銀行(SVB)はこんな感覚で安易に米国債投資に乗り出し大火傷を負った。
JPモルガンのダイモンCEO:「規制の影響で保有資産の "質" を求めた結果、米国債投資に失敗した」
こんな訳のわからない詭弁を弄してFRBに責任転嫁しようとしているが、完全にずれた主張。*問題の本質は ”資産の質” ではなく「金利リスク」。仮に米国債が社債でも、同等もしくはもっと酷い結果になったはず。長く続き過ぎた「低金利」の弊害とも言えるが、その点は日本も注意が必要だ。
何しろ 3京円もの「大借金」のツケは一体誰が払うのか?。ー 急浮上した銀行の「信用問題」。|損切丸|note。「サバイバル」はこの程度では終わらない。**普段なら危機を回避する「お金持ち」も巻き込み始めた。
「お金持ち」が損をする時、マーケットは間違いなく大荒れになる。流動性が高くて比較的仕掛けにくいはずの米国債がこれだけ荒れるのは異例。それだけ先が見えにくくなっている証拠である。
こうなると株式市場もFXも振り回される。ドル円を見ていても「どこで利食おうかな」などと呑気に構えていたらあっという間に「損切り」。訳がわからなくなっているトレーダーも多いはずだ。こういう時「損を取り返そう」と意気込むのは厳禁。まずは自分自身の心を "フラット" に戻してから売買いに臨むべき。そうしないと「損切り」だらけになる。
”犠牲者" と言う意味では、まず思い浮かぶのが「首切り」。2月の米求人件数は2021年5月以来の1,000万件割れで、「高給取り」の多い大手IT企業、あるいはウォール街でのリストラの影響がモロに出ている。カリフォルニア南部の倉庫には商品の「過剰在庫」が堆く積みあがっているという。
「戦争」で大忙しの「ルーブル」にも大きな負荷が掛かっている。国内銀行に「ルーブル買い禁止」のお触れをだして半ば強制的に「ルーブル安」を止め、一時1ドル=@54台までの「ルーブル高」を "演出" したが、さすがにこれは無理筋。あれだけミサイル、弾薬を打ちまくれば財政は逼迫し「お金」、特に武器購入に必要なドルなどの「外貨」が不足する。気が付けば1ドル=@80ルーブルに接近。「お金の戦争」では敗色濃厚だ。
「通貨安」で負荷が掛かっているのは日本も同じ。「円安」による輸入コストの上昇をモロに喰らっており、あちこちから悲鳴が上がる。だから日銀による「利上げ」の議論が出て来るのは当然なのだが:
この2つが大きな障害となって立ちはだかる。結局これらの「損失」は「増税」(含.社会保険料)となって国内の納税者に廻ってくるわけで、「円安」によるコスト増とどちらを取るか、究極の選択。
これらは全て「インフレ税」。
+6%の物価上昇が5年間続けば「お金」の価値は▼30%減価、つまり▼3京円の「借金」は実質▼2.1京円まで減る。この「取り立て」が世界中で行われており、中には倒れる企業、国が出て来ている。ベネズエラ、パキスタン、レバノンがそうあり、SVB、クレディスイスもその中の一部だ。個人レベルでは億人単位の "犠牲者" が出ている。
まさに 「インフレ税」から逃げ回る「お金」。ー 取られるのは「金利」か「値段」か。|損切丸|note。
筆者が考える「資産防衛」のポイントは3つ:
「資金繰り」や売買いのタイミングもあり、個人レベルでどこまで出来るか。それでも何もしないよりはマシだ。株やFXなど「投資」に勤しむのもアリだが②デフォルトだけは十分注意したい。暗号資産の取扱会社が突然潰れたり、SVBの「取り付け」など誰も警戒していなかった。破綻前には ”三味線を弾く” =平気な振りをするのが常套手段なので、"小さな変化" を見逃さない事。"壮絶" な「サバイバルゲーム」はまだまだ続く。
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