見出し画像

続・本当は金利なんて上げたくないのに...。ー 「インフレ」で「お金」の "奪い合い" 。

 本当は金利なんて上げたくないのに...。ー 「インフレ」で「お金」は "押し付け合い" 。|損切丸 (note.com) の続編。

 8/14 アルゼンチン+21%「利上げ」、政策金利@118%、に続けとばかりに今度はトルコが@17.5%→@25%+7.5%「利上げ」。2023年に入って大統領選が終わった所から+16.5%も上げており、「インフレには利下げ」の "エルドアン理論" は急旋回。やっと "正気" に戻った。CPIが+48%だからあと+13%(苦笑)。為替も1ドル=@27台→25台に反転している。

 これで「インフレには利下げ」で取り残されたのは日銀のみ

 ”8月の東京CPIは生鮮食料品を除くコアCPIが+2.8% ← 7月+3.0%と+3%割れ”

 国内メディアは「インフレ」終息とばかりに嬉々として報じているが、そのほとんどは電気や都市ガス等を含むエネルギー▼15.9%低下が主因。つまり「補助金効果」でしかない。エネルギーも除くコアコアでは未だに+4.0%を維持しており「インフレ」圧力は減じていない

  "中味" を見ると生鮮を除く食品は+8.9%旅行の回復を反映した宿泊料も+18.1%*レギュラーガソリン価格も@200円に向けて上がる一方10月には早々とガス・電気料金の「再値上げ」を発表している。「人手不足」→「人件費上昇」と相まって「インフレ」はこれからが "本番" 。

 ガソリン価格で言えば、国際原油価格@100ドル×ドル円@105円=10,500円よりも現在の@79ドル×@146円=11,455円の方が高い。いかに「円安」の負の効果が大きいか。

 今日(8/25)の東京市場で特徴的だったのは日経平均の急落NYダウやナスダックの急落に連れた部分も大きいが、「これ以上の円安は日本の株価、景気にマイナス」との認識が浸透してきている。 「デフレ」の沼に落ちた中国。|損切丸 (note.com) の悪影響も心配だ。

 本日の「円売り」→「日経平均売り」の流れは政府・日銀にとってもかなりのショックだったのではないか?

 アメリカがどん底だった1980年代に喰らった「ドル安・株安・国債安(金利上昇)」の「トリプル安」今度は日本の番かもしれない。経済力の劣るアルゼンチンやトルコは常にその "恐怖" に晒されているが、「利下げ」→「円安」→「株高」の "昭和の幻想" が崩れれば、日銀の役割は根本的に変わってくる。他国同様「インフレ」→「通貨安」をいかに防ぐか

 「円高」を警戒しなければいけなかった時期は、いわば「贅沢な悩み」に過ぎなかった訳で、今は欧米の先進国同様「通貨安」→「資本流出」を「利上げ」で防ぐ事がファーストチョイスになる。 逃げ出す「お金」。向かう先は...。その後。ー 「インフレ」で「お金」が足りなくなる。|損切丸 (note.com) を考えれば、「本当は金利なんて上げたくないのに...」なんて呑気な事を言っている場合では無い

 「インフレ」の本場、アメリカでは ”狼少年” 化するマーケット。ー 相場の ”煽り運転” も縮小へ。|損切丸 (note.com) でウォール街が散々煽っ「FRBによる利下げ」幻想が消えつつある

 2022年以降、相場の核となってきた米国債市場の動向だが、米国債「プレミアム」(=上乗せ金利)の復活と「円安」が迫る「YCC廃止」→「利上げ」。|損切丸 (note.com) で様相が大きく変化しており、ドル金利の動向だけで株価やFXを判断するのは危険。考えを改める時期に来ている。

 本日開かれるジャクソンホールパウエル議長が何を話すかに注目が集まっている(そういう風に演出している)が、あまり多くを期待しない方がいい一昨日の米国債急騰(金利は急低下)から昨日の小反落の流れはイールドカーブ取引のポジション調整が主因であり「利上げ」「利下げ」は関係ない。敢えて言えば@5%台の政策金利がどれだけ長く続くかが焦点であり、それだけではこの2年間のボラティリティー(変動率)は期待できない。

 ドル金利が一旦のピークに達した今、相場の行方は今後の日銀の動向、特に「利上げ」にかかっているといっても過言では無い。

 今日はどのチャンネルを捻ってもワイドショーは ”処理水騒ぎ” 一辺倒。テレビ世代の筆者もさすがにテレビを消した(苦笑)。 ”コロナ騒ぎ” もそうだったが、論調が「政府叩き」一辺倒だ。テレビや新聞を中心に世の中が回っていると思っているのは50代以上の「昭和世代」だけで、少なくともSNS世代はしらけきっている

 分け合えるパイが激減している彼らにとって「政府叩き」≓内輪揉めなどどうでもいい。関心はパイをどうやって増やすか

 今回の「円安」が示唆しているのは、敵は "内" では無く "外" にいるという事既存メディアの姿勢は「汚染水」などと喧伝している "彼の国" に加担する行為でしかなく「風説」を助長しているだけ。政府批判は結構だが、可能な限り科学・データに基づいたFACT(事実)の情報提供に徹するべき。もちろん受け取る側のリテラシーの向上が前提だ。

 これは財政・金融政策にも言える事で、「財政健全化至上主義」などという内向きの理論では無く、国際競争に打ち勝つべき政策に変わるべき「円安」で「国富」が失われるなどもっての外政治的にも「円安」マグマは爆発寸前であり、徳俵で踏み止まっている今が最後のチャンス。追い詰められて2桁金利なんていうのは御免被る。

 過去の栄光に酔ったままの「団塊の世代」が30年も寝ぼけている間に取り残された日本。「昭和世代」の日銀総裁がタクトをどう振るうのか。追い詰められたファンドウォール街も虎視眈々と収益機会を狙っているが、利益を "外" ではなく "内" に生み出せるか。その手腕が問われる。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?