株高なのに円高.... (涙目💧)

 6月3日の投稿で外貨建て保険の話について書いたが、契約した人達は今こんな気持ちではなかろうか。普通日経平均があがればドル円も上がるんじゃないのか!と。残念ながら今回はそうではないのです。

 理由はFRBの利下げ観測となっているが....根本はそこではあるまい。何せ2018年だけで3.6兆円も成約しているわけだから、為替市場から見たら多額の「ドル円売り」予備軍なわけだ。しかもそのほとんどが為替市場などまるで知識のない素人(おそらくかなりの数おじいちゃん、おばあちゃん)で、銀行の窓口で薦められるままに契約したのではないかと推察される。

 いくら株が上がっているからと言っても、ここからドル円を買っていけば、これらの人達の利食い(あるいは損切り)の売りを兆単位で浴びるのは自明の理なので、分かっているトレーダーはそんなことはしない。せいぜいこの人達が更に円高で苦しくなってぶん投げるところを拾って儲けよう、ぐらいにしか思っていないのではないだろうか。

 2018年中にドル円がじわじわ上がっていくので、何が円安の背景なのかなあとずっと疑問に思っていたのだけれど、これらの外貨保険の成約が大量に進んでいたってこと。これで腑に落ちた。HFT(High Freecency Trading = 超高速機械取引。1秒間に何万回も取引を繰り返して買い注文などの先回りをして儲けるシステム)も絡めば買い相場には拍車がかかる。

 そして販売ターゲットへのセールスが一巡すれば、後は円を買い戻したい人ばかりになるわけだから、もう円安は進まない。ドル以外に人気だった豪ドルも80円以上だったのが今や75円割れ。これでは金利が2%以上あったとしてもひとたまりも無い。おそらく2018年成約の外貨保険はほとんどが元本割れだろう。おまけに手数料もぼったくられている。

 手数料が同様に高いものといえば、銀行窓販の投信も半分以上の人が損失を抱えているとのニュースがあった。銀行は本当に追い詰められて余裕がないんだね、酷いなあ。このようにノルマや収益に困っている会社の薦める物には良い物はまずありません。皆さんお気をつけて。

 これで仮想通貨やフィンテックが銀行業務の領域をどんどん浸食したら銀行はますます存在意義がなくなってしまう。ましてこんないい加減な営業戦略を進めていたら、いずれ顧客から見放されるだろう。金融は「信用」があって成り立つ物。もう一度原点に立ち返って見るべきではないだろうか。

 銀行を日常的に使っている我々も、もう少し厳しい目で見ていく必要がある。特に大都市以外の地方では、未だに情実につけ込んだ「お願い営業」が蔓延しているので、いくら過去にお世話になっていても「お金の事は別」と割り切って臨んだ方が良いだろう。

(うちもそうだが)故郷にご両親が暮らしている方、手遅れになる前に声をかけてあげましょう。銀行はもう信用できません。

この記事が参加している募集

お金について考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?