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相場の「偶然」 ≓ 「必然」。 ー 売買に必要な ”理由付け” 。

 ”ウクライナ東部で激しい砲撃”

 「ウクライナ問題」でマーケットは連日大揺れ。まさに "ニュースより相場" 。 ー 日本人の理解を超える「スラヴ民族」の歴史。|損切丸|note の状況。*「戦争」に関しては不確定要素が多く、情報の真偽も確認が難しいため、株も為替も右往左往している。

  ”偽旗作戦” を巡って米ロの激しい罵り合いが続いているが、そもそもウクライナ東部 ≓ ドネツク・ルガンスク州では2014年以来、親ロシア分離独立派との紛争で1万人以上の死者が出ている。「何を今更」の感も強い。

 「せっかく "パンデミック" も終わりそうになのに…。」

 米株等、リスク資産投資家からはこういう "嘆き" が漏れ始めているが、かつてそれなりのリスクポジションを張った身として心情は痛いほどわかる(苦笑)。相場がアンフェーバー(Unfavour、持っているポジションと逆に相場が動くこと)に行き出すと、なぜか不利な情報ばかりやっと「利上げ」を乗り越えそうになったら、今度は「戦争」って...

 これは「偶然」なのか?

 答:相場の「偶然」 ≓ 「必然」。

 これは22年もがき苦しんだ元・金利トレーダーの "感想” だが、「損切り」後に振り返ると「何であんなポジションにこだわっていたのだろう?」ということがほとんど。苦しくなると人間は「偶然」と思いたくなる

 例えば今の株式市場。元々「過剰流動性」で膨張していたので「金融正常化」をきっかけに「あるべき値」に戻る時期に来ていた。だが株が下がっては困るウォール街の都合などで相場は踏ん張っていたところに「ウクライナ問題」が売買に必要な ”理由付け” となった。

 経験上学んだのは、人はポジションを持ったままでは「客観的」に成りきれない、という事。「損切り」は損失回避と同時に「我に返る」ためにも不可欠「偶然」 ≓ 「必然」と思えば、もう少し気楽に「損切り」できる。

 これを元・専門の「金利」で俯瞰すると、もっとリアルに理解できる

 久々に見る本格的 "Flight to Quality" =「質への逃避」。|損切丸|note で買い戻しが入ってる米国債だが、そもそも1月米CPI発表直後の金利水準が異様でもあった。いかに もうこれは...。 ー 「インフレ」真っ只中。|損切丸|note とはいえ、2年@1.58、5年@1.96% ≓ 2022年内に@2.0%までの「利上げ」確定はやり過ぎやっと「年内+1.5%利上げ」のまともなレベルに戻してきた

 便利なマジックワード「織込み済み」。|損切丸|note とはいうものの、やはりマーケットでは "突っ込み過ぎ" も度々起こる。そういう**「調整」が必要な局面で起きる「偶然」は「偶然」ではなく、売買に必要な「必然」と割り切るのも "難局" を乗り切るコツでもある。

 **筆者も若気の至りで相場に立ち向かったこともあるが、何度もボコボコにやられた(苦笑)。「流れに棹さす」やり方はどうも分が悪いと気付いたのが30代後半で、それ以降「無理は通っても無理」が座右の銘に。年を取ると体にも悪い(笑)。

 今の「ウクライナ危機」に関しては、 ”紛争” そのものは2014年以降7年以上続いているので、米ロの全面戦争にでもならない限り破滅的事態に陥ることはない。アメリカが大統領中間選挙ロシアが国内支持率低下(2024年に大統領選)と、抱えている政治的事情を考慮すれば双方にとってメリットがある。つまり株式市場にとっても米国債市場にとっても、これはいわゆる***売買の「ためにする理屈」と考えた方がいい。

 ***「スラヴ民族」の歴史を前提にすると、ロシア、ウクライナ共「戦い」から逃げる選択肢は取り難い。個人的には何らかの武力衝突は不可避、と見ているが、今後も「ためにする理屈」として利用されるだろう。

 ただ1つだけ怖いのは「瓢箪から駒」。特に「戦争」に関しては、個人的怨恨や突発的行動が当局の思惑を超えて暴走に繋がるケースもままある

 その点も「お金持ち」がリスク資産を減らそうとする動機付けになっており、利が乗っているナスダック銘柄やビットコインなどを一旦売って比較的 ”安全” な英FT指数(主要市場で唯一年初来プラス)あたりに ”緊急避難” しているのかもしれない。

 しかし何年やっても相場は難しい。特に今回のような「歴史的転換点」では前例が通用しないことも多く、かなり気を遣う。やはり「若さ」「体力」は大事(苦笑)。老兵は「ずる賢さ」で何とか生き残りを試みるのみだ。


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