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「EV戦争」が告げる「群雄割拠」の次世代闘争。

 ”米EV大手テスラ株は、先週末(12/18)大商い下で過去最高値を更新したが、S&P総合500種指数に組み入れられた初日(12/21)、米アップルとの競合の可能性を伝える報道を背景に▼6.5安で取引を終了。”

 素人ながらこんな note.  ↓ を書いた直後だったので、 ↑ の記事に少し驚いた。そういえばどこかのモーターショーでソニーも車を発表していたし、産業界ではもっと凄まじい勢いで情勢が変化している。

 「アップル買・テスラ売」のような取引が活発になるようだから、マーケットの世界も当然無関心ではいられない。「脱・炭素」は単なる環境対策や政治的思惑を超えて、次世代闘争のメインテーマといっていいだろう。テスラの創業者も元々は電気技師だったというし、アップルが自動車産業に進出しても何の不思議はない。日本で言えば大阪の町工場だった松下電器があれほどの大企業に発展したのと同じパターンだろうか。

アップル株価(1年)

 日本ではトヨタ「水素」「EV」(電気自動車)「ハイブリッド」の3方位戦略で行くようだが、テスラアップルが加わるとなれば大きな脅威を感じているだろう。ここで鍵になるのは「資本力」アップルクラスになれば日本の自動車メーカーの1つや2つ買収するのは容易いだろう。 ”技術的優位性" などすぐに追いつかれてしまう。

 「資本力」と言う意味では200兆円を超える余剰金を抱えている日本企業も負けないはず「コロナ危機」下、前向きな投資に動ける ”キャッシュ・リッチ” 企業は限られてくるので「危機時にお金があって良かった」と安堵するだけでなく、ぜひこの機会を前向きに捉えてほしい

 さてこの「EV戦略」の仕掛け人でもある「中国」はどうか。実は国内電力の7割を火力発電に依存している「中国」では、例え2030年に100%「EV」化しても「脱・炭素」にはならない。せいぜい都市部のスモッグがなくなる程度だ。「環境対策」が主ではなく、むしろ「米国覇権」を奪うための国家産業戦略と捉えておくのが適切だろう。

 異業種混交の時代に向けて、新たな闘いに挑む産業界では*「従来の発想」から抜け出すことが求められる。住宅メーカー等を傘下に持つトヨタ「車」をテコに街作りそのものを手掛ける「スマートシティー」企業を目指しており、異業種参入は今後益々激しさを増しそう。まさに「群雄割拠」

 筆者には今年大学入試を迎える娘がいるが、「昭和」のように単純な「文系」「理系」の選択ではなく、黙って働けば給料が上がった時代とは全く様相が異なる今後は企業も「常識」に囚われず自分の頭で考える人材を必要とするのは必至で、受験形態も大きく様変わりしている。

 翻って「日本」もっとも発想の転換が必要なのが「政治」「政策」だ。現在トップを占める60~80代は「景気は公共事業と日銀の利下げがあれば何とかなる」と信じて疑わない世代アベノミクスの出発点もそこにある。

 だが彼らも見たことのない「量的緩和」を拡大して日銀が▼70兆円も資金不足するまで金融緩和を進めてもほとんど効果が得られなかった ↓ 「日銀バランスシート」@12/18ご参照)。「マイナス金利政策」に至っては、それが「預金税」であることが半ばばれてしまい、景気に対しネガティブな影響の方が大きくなっている。社会インフラも整備された現代では「高度成長期の処方箋」はもはや通じない

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  ”三菱UFJ銀行に13人抜きで「半沢頭取」(55)が誕生” 

 まるでドラマを地で行くようなニュースが昨日(12/22)飛び込んできた。日本のトップバンクの頭取が55歳の「半沢」氏になるという。本気で改革を目指すのなら日本の銀行界にも "一筋の光明" となるかもしれない。他行もこの動きに続くだろうか。

 若ければいいというものではないかもしれないが、「40、50はハナタレ小僧」的な「昭和の発想」は捨てて政界も一度国の舵取りを40~50代に任せてみてはどうか。少なくとも政策に対する「視点」は大きく変わるはずだ。現在の「コロナ対策」が後手後手に回っているのを見ると余計にそう思う。

 今朝(12/23)の検索ワード1位:「ケンタッキーフライドチキン(KFC)がゲーミングPCを発売」

 ファストフードがパソコンを売り出す? 何とも突飛なニュースが検査ワード1位になっていたが、ゲームも出来るPCを本当に売り出すらしい。そして面白いのはそのPCから出た熱でチキンを暖められるという。なるほど、何という発想の転換。最近KFCの業績がいいのも頷ける。

 50代の筆者も自戒を込めて書くが、人は年を取るとだんだん考え方が硬直的になる。それはやむを得ないことでもあるが、せめて下の世代の邪魔をしないように心掛けたい。できれば少しは ”新しいもの" を吸収しながら。

 筆者の専門としている「金利」についても従来の常識を疑った方がいいのかもしれない。例えば「利下げをすれば景気が良くなる」という考え方。それは「法定通貨」に価値があった時の定説に過ぎず、その価値が毀損されつつある今は有効ではないのかもしれない。

 「利上げ」が世界景気復活の号砲になるかも...。

 漠然とそんな事を思い始めている。過去の「常識」を疑ってみる。そうすれば将来「頑固じじい」と罵られることは避けられるかも(苦笑)。


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