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はっきりした「ドル建日経平均」戦略Ⅲ - ヘッジファンド ”恐るるに足らず”

 はっきりした「ドル建日経平均」戦略 - 注目すべきは「FX」フロー|損切丸 (note.com)
 続・はっきりした「ドル建日経平均」戦略 - 欧米の ”小鬼” たちに振り回されるな!|損切丸 (note.com)
 からの続編

 「マイナス金利廃止」については筆者はかねてより「3月派」だったが、何だかメディアも市場関係者も急に「4月派」から鞍替え日銀関係者からドンドン ”気球” が上がっているので仕方が無いが、本来昨年12月か1月にはあっても不思議ではなかった。これでも大分遅れている

 やはり「ドル建日経平均」の "ダブルキャリートレード" ↓ はそれだけ積上がっていたということ。年初のドル円が@141円台だったことを考慮すればこれでも売り崩しは一部。@38,000円の ”ノックアウト・オプション” (一度値が付くと消滅してしまう、危ないオプション)が設定されていれば、売り手は付けにいきたい。先物中心にそういう戦いになっている

 テクニカルには短期の25日線が走っている@38,500円が現物価格の目処3/28(3/30決済)の*「配当落ち」を考慮すると、買い手は出来るだけ安く買い叩きたい。「損切り」を強いられて投げさせられる投資家は「配当」も得られず被害が甚大になる。生活資金まで「投資」に回すとえらい目に合うのはそういう所。あくまで余剰資金で行うのが「投資」の基本

 通常は「配当取り」を狙って買いが入る。だからこの時期はヘッジで先物が現物価格を下回るのだが、今回はそれを逆手にとった恰好油断して「買い」で入った素人衆を揺さぶっている「新NISA」の新参投資家には初めての試練となる

 売り崩しているといってもヘッジファンド(HF)にもリスクはある

 上手く下値で拾えば「配当取り」も相まって大変美味しいトレードだが「ドル円」も「日経平均」(先物)も買い戻しのタイミングを間違えれば大損することに。結局は「ゼロサムゲーム」の化かし合いで "脅し" に屈した方がやられる動かしている金額には大差があるが、実は個人(=少額だが買い切り)とHF(=巨額だが短期で買い戻し)のどちらが有利なんてことはない。そう言う意味では ”恐るるに足らず” 

 まあ日経平均を売った分の「お金」を一時的にビットコイン(BTC)辺りに突っ込んでいるのかもしれないが、ニッチ(隙間)市場である暗号資産一辺倒では彼らの仕事は成り立たない。どこかのタイミングで「ドル建日経平均」の "ダブルキャリートレード" を再構築したいのは見え見え。今日植田総裁が「マイナス金利廃止」に踏み込まなかっただけでドル円も日経平均(先物)もあんなに買い戻してしまうようでは相当ヒリヒリしている

 その辺りはまさに "体" を張らないとわからない事がある - 最後は「自分」との対話|損切丸 (note.com) 株でリスクを取っている投資家やトレーダーにしか感じられない部分でもある。「ドル円」も「日経」(先物)もショート(売り)がかなり溜まっているようだ

 昨日(3/11)は▼2%もの急落にも関わらずETFの買いに動かなかった日銀この "決意" が本物なら3/18、19の政策決定会合での「マイナス金利廃止」が本線だろう。逆に言えば、これだけ株価が上がっているのに出来ないようだと「失われた20年再び」になってしまう。もう先送りできない

 確かに世論もメディアも騒がしい。だが+1%程度の「利上げ」で潰えてしまうようなら「新時代」など永久に訪れない日銀がここで "脅し" に屈するようでは先が思いやられる。ここで一時的に逃げてもまた「円安」の "脅し" がマーケットからかけられる。国民も納得しないだろう

 70代の総裁にはまだ "昭和の円高の呪縛" がかかっており、「利上げ」=「悪」の意識も多分に残っているのかもしれない。だが海外に生産拠点を移した日本では既に「円安」=「悪」。かつての覇権国家イギリスアメリカも同様に "変革" の過程で「通貨安」を伴う大不況に見舞われた。 "ゆりかごから墓場まで" はもう無理。ー 「お金」の事ははっきりさせよう。|損切丸 (note.com) で公共福祉の見直しを迫られている点ではイギリスそっくり

 筆者は日銀が+2%以上の「利上げ」を敢行しない限り、少なくともあと数年は「インフレ」が続くと想定している。そうなると仮に株を利食ったとしても手元に「お金」を保持するのは大きなリスク。その価値の "目減り" を防ごうとすれば、結局現物資産(含.不動産)、あるいは株に「お金」を戻さなければいけなくなる

 「デフレ」が30年近く続いたように「インフレ」も長期循環「人手不足」世界中で「ベビーブーマー」(含.「団塊の世代」)が引退したことによる「人口動態」が強く連関している

 「産業革命」以降、人類はずっとこの「人手不足」と闘ってきた。その時々で新しい技術発展があり、昔の「電気」「通信」にあたるのが今の「AI」「DX」(デジタル・トランスフォーメーション)。その度に上がった「付加価値」を「物価」が反映パンデミックがきっかけになった点も共通項で、今回の ”リモート技術” の強制的普及もいわば ”歴史の必然” 。凄い時代に我々は生きている。あとは「戦争」が起きないことを祈るのみだが…

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