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20年前と同じ轍は踏みたくないけれど、やっぱり踏みそうな話

私は73年生まれで、90年代がほぼ20代にあたる。その頃は一世代前から始まった「男女雇用機会均等法」が世の中に馴染んできて、女性も「学校を出たらまず働いたほうがいい」という空気だった。

将来結婚するにしても、卒業後すぐに結婚したり、いわゆる家事手伝い(最近聞かないなこの言葉)を経たりするより、企業に勤めて社会経験を積んだ後のほうが良い選択だとされていた。当時の女性誌やニュース特集を見ると「20代で子どもを産む話」より「働いて自立する女性の話」が何倍も取り上げられていたと思う。

私も当時「そうだよね!」と思って、学校を出たらまず就職して働いた。結婚出産はいつかしたいけれど「今じゃない」としばらく思っていた。20代で早々と子持ちになるのは損のような感覚もあった。

あれから20年。どうも、良しとされる女性のライフプランの傾向が変わってきた。学校を出て働く道もあるけれど、できれば早い時期に子どものことも考えたほうが得策、という話になっている。20年前に散々煽られて「そうだよね!」と思っていたことは実は間違いだったのかもしれない。

自分でその道を選んだような気でいても、結局は世間のトレンドに影響されまくった後で選んだ道に過ぎない。

少し前に20代の人と話していて将来の働き方が話題になったとき、彼女はスラスラと「多拠点で生活するような働き方をしたい」と答えた。一瞬、自分が20代のときは思いつかなかったな、今の人は新しいなと思ったけれど、よく考えるとそれは彼女独自の道というより最近発掘されて認知された流行の道だ。

たぶん、彼女もどこかで「こんな働き方がありますよ」というニュースや情報を見たから選択肢に入れたのだろう。一人で発想したものとは違う。今の人も世間のトレンドに影響されまくっている。

今日一番賢いと思われる方法を見つけて、自信満々に「そうだよね!」と思いながら実践したとしても、数十年先に「あれは間違いだった」と翻っている可能性は高い。流行しているからといって、いろんな媒体が話題にするからといって、後々まで必ず正しいとは限らない。

だから「流行っているから」とか「みんなそうだから」という理由で物事が表に出てきたときは、なるべく一度「本当かな」と立ち止まってから選びたい思う。巻き込まれるなら昔より自覚的に巻き込まれたい。難しいけれど。

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