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その街で過ごした経験がもたらしてくれるもの

2022年8月19日から全国ロードショー中の映画「凪の島」。

私がこの映画のことを知ったのは、つい1週間前。
きっかけは「#この街がすき」タグから見つけた、周南市さんの公式noteの記事をでした。

山口県オールロケのこの映画、舞台となった島はどこの島だろう?
そんな興味から夏休みの隙間時間を縫って、まさにロケ地にある映画館へ。
この映画を通じて考えたこと・気づきを書き記しておきます。

※多少ネタバレが含まれる可能性がありますので、ご了承ください。

うん、キレイな景色だったね。

瀬戸内海の島での撮影。
これを知った時、何より最初に映像の美しさを期待していました。
映画を見終わった後に「うわ〜!やっぱり海がキレイだなあ〜!」そんな感想を持てるんじゃないかと。

しかし、予想に反して私の心に浮かび上がった感想は、
「うん、キレイな景色だったね。」

これは、何も映像が良くなかったと言っているのではなくて、
やっぱり実際に自分の目で見て、風を受けて感じた海の美しさには叶わなかったということ。

このキレイな海が身近に見える場所で暮らし始めて5年。
私の目は思った以上に肥えていたらしい。贅沢な話です。
当たり前に身近にある景色に感謝を。

体感として理解できる映画のシーンたち

小さな船で島と本島を渡る様子
漁港で街の人たちが集う場面
島の学校に生徒がたった数名の現状

どれも、島のことを知らない人が見たらびっくりするような現状。
シーンひとつひとつが、山口県に移り住んできて5年間で
私が訪れた島々の様子とつながった。

岩国の漁港から小さな船で柱島に渡る
田布施町の漁港から定期船で渡る佐合島。小学校の跡地。
日本海側にある長ーい橋を車で渡れる角島のビーチ
人生初キャンプで訪れた映画の舞台となった笠戸島の美しい夕暮れ

住む人が減り続ける状況
廃校になった学校
それでもそこで暮らす人々

その時その時に
自分の目で見て
そこにいる人の話を聞いて
風や水しぶきを受けて感じてきたからこそ
すっと入ってくるシーンがたくさんあった。

経験を積むことの意味って。

自分が積み重ねた経験とつながると
そこにあるものが自分ごと化する。

自分ごと化することで、
より深く、その街の景色やそこに住む人たちの気持ちに
想いを馳せることができる。

積み重ねた経験によって自分ごと化できることが増えると
新しく出会うものひとつひとつがより味わい深くなる。

私にとって身近な街がロケ地となったこの映画は、
私がこの5年間、この街で積み重ねてきた経験を思い起こさせてくれる
そして、この街で過ごした日々を肯定してくれる
そんな映画になりました。

あなたは
どの街で過ごしたどんな経験を持って
今日の出会いを味わいますか?


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