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【インタビュー記録】英語学習法を知りたい!とインタビューしたら、もっと深い部分で言語とは?を知れた話。

8ヶ国語を話すマルチリンガルとして、30日で誰でも英語が話せるオリジナルメソッドを世界中の旅好き、映画好き、おいしいもの好きに向けて発信中の新条正恵さん。

彼女の公式LINEに突如入ってきたメッセージ
「私の子どもの頃からの経歴を知り合いに話していたら、すごいね!と言われたので、夏休みですし、親子で聞いていただけるセミナーをしようかなと思います!」
「一方的に話すより、お子さまのいる方に聞き出してもらった方がいいかなと考えたので、インタビュアーを募集します!」

人や街の魅力を知るのが好きな私は、直感的に、
「正恵さんのこと知りたい!インタビューしたい!!」と思い、
自分から手をあげて、インタビュアーの一人としてお話を聞く機会をいただきました^^

今回は、新条正恵さんのこれまでの経歴から、英語学習法や英語に興味を持つためのコツ、言語を話すってどういうことなの?というところまで、2回に渡るインタビューを記録しました。

落ち着きのない子が高校時代360人中・学年1位であり続けたワケ

ー小学2年生の通知簿に「落ち着きがない」「集中力がない」と書かれたという正恵さんですが、どんなお子さんだったんですか?

 とりあえず、よく気がよそに行く子どもでした。
ある参観日の日、先生からの質問に発表しようと思って手をあげたのですが、指名してもらえず、いつの間にか外から聞こえる音楽に気を取られ、その後、先生が指名してくれた時には、なんのことだったか忘れていました。
 一方で、本はものすごく好きで、小学3年生で学校の図書室の本を読み切って、家の近くの大きな図書館(蔵書65万冊)に行って毎日本を読んでいました。
ただ、「読んだこと見たことを覚えられない」ので、読んでもすぐ忘れちゃうんですけどね!

ーなるほど、しかしすごい数の本を読んでいたんですね。

 はい、それと同時に10歳の頃から劇団に入っていたので、そこでもいわゆる名作といわれるものや古典に触れて、声に出して演じる機会もあり、私はそこで「美しい日本語」を学んでいたんです。

ー「美しい日本語」というのは、どういうことでしょうか?

 
今の時代、「やばい〜!」でまかなえる意味がたくさんあるじゃないですか。「大変だ。」「緊張する。」「困っている。」など。
英語にもそういう単語があるんですけど、全ての意味を「やばい」一言で片付けてしまうことで、国語力が落ちて思考が伴わなくなるのではないかと心配しています。
 古典である「枕草子」や「源氏物語」が現代にまで残っているのには、物語の内容が面白いということ以外にも、やはりそれなりの理由があるのではないかと思っています。語り継がれる「美しい日本語」という意味でも。

ーそんな落ち着きがなく成績も特別良くなかった正恵さんが、高校時代に学年1位を取り続けたのは勉強方法を変えたのがきっかけだとお聞きしましたが。

 はい、そうなんです。
 私は英語がずっと好きだったので、英語科のある高校に行きたかったのですが、
高校受験に失敗して、偏差値も10も落とした学校に入学したんですね。入学当初はあまりやる気もなくて、辞めたいなと思っていたのですが、受験するのも嫌だったので、高校に1つだけあった外大への推薦枠を取ることを目標にしました。
 ただ、私は高校時代は、お小遣いもなく、大学の学費も自分で貯めて大学に備えるように。という教育方針により、アルバイトも月に100時間ぐらいしていました。それに加えて、10歳から続けている劇団で主演をつとめたりと。とにかく時間がなかったんです。

 どうやったら効率良く勉強ができる?と考えたときに思い出したのが、劇団の主演をつとめた時に、2時間半にわたる劇のセリフを1時間半で全て覚えた経験でした。その時の私は、ものすごく集中して1時間半で台本を最初から最後まで音読をしていたのです。音読しながら、頭の中でシーンを想像してイメージと共に覚えたんですね。
 同じことを学校の勉強にも応用して、教科書とノートを全て3回ずつ音読して完璧に暗記しました。1回目で教科書を見ながら暗記して、2回目で教科書を隠しながら、3回目はほとんど見ずに音読するんです。そうすることで全ての教科で学校の成績を上げていきました。

ポイントは、自分にあった勉強法をすることです!

 世の中には、視覚優位の人、聴覚優位の人、体感覚優位の人がいます。それぞれにあった学習方法があると思うのです。その学習方法がわかるように仕組み化したのが「英語学習診断エキシム」です。

こちらから診断してしていただけます。https://exiim.proenglish.jp

英語に興味を持つコツ。興味を伸ばすコツ。

ー正恵さんが、英語を好きになった、興味を持ったのはいつ頃でしょうか?

 中学生の時の英語の先生が、通勤中ずっと英語を聴きながら音読しているような先生で、当時には珍しい?「英語は話せないと意味がない」という先生だったんですね。その先生の発音メインの授業が面白かったんです。
 そしてもう一つ、もっと幼い頃の話ですが、私の家の近くに外国人の方が住んでいました。私は毎日、その人に「ハロ〜!!アイアム、マサエ〜!!」と話しかけていたんですね。私にとって、英語は勉強ではなくコミュニケーションツールだったんです。

ーなるほど、大人も子どもも英語が嫌だと思ってしまうのは英語を勉強として捉えるからなのかもしれませんね。正恵さんは、高校時代、大学時代、大学卒業後と3度留学をしていますが、どうして留学しようと思ったのですか?

 前にお話ししたように、私は高校を辞めたいなと思っていたんですね。ただ、大学への推薦枠は取りたかったので、辞めずに高校に行かなくていい方法を考えたのです。その時に思いついたのが留学でした。当時「留学ジャーナル」という雑誌を愛読していたので、そこで見つけた高校生の留学事業に応募して、いける!と決まってから、親に「留学させてほしい!」とプレゼンをしました。

ーご両親はすぐにOKをしてくれたのですか?

 いや、大変でしたけど、「どうしても行きたい!」とプレゼンをしました。
お子さんをお持ちの方も、お子さんが留学したいと言ってきても簡単にお金を出して送り出すのではなく、お子さん自身にきちんと理由をプレゼンしてもらって、納得した形で留学させた方がいいと思います。お子さん本人が自分で決めて自分で動くことが本当に大切だと思います。
 ちなみに、私は、「留学させてもらう代わりに将来家を買ってあげる」という約束をしました。結果、26歳の時に両親に家を買うことができました。

ー本人の本当にやりたい!と思う熱意が必要ですね。英語に興味を持てるようになるコツってありますか?

 大人であっても、子どもであっても、本人が興味を持つことと英語をつなげてあげるといいと思います。
 サッカーが好きな子は、海外のサッカーが見れるチャンネルを契約してあげる。もちろん英語解説の。漫画が好きな子は、好きな漫画の英語版を渡してあげる。大好きな漫画であれば、セリフも覚えているでしょうし、英語版を読んでいてもなんとなくわかると思うんです。そうすることで「英語わかる!!」ってなります。

ー少しお話は戻りますが、留学準備のためにどんなことをやりましたか?

 留学エージェントが準備してくださった、すでに留学した先輩との座談会で、「英語ひとりごと」と「英語日記」をやるといいと教えてもらったので、それをやっていました。あとは、近所にあった奈良公園で、外国人の観光客に声をかけて、勝手にボランティアの観光案内をしていました。英語のパンフレットを参考にしながら。

ー正恵さんは、自分のやりたいことに対して、自ら動かれる姿が本当に素晴らしいです!実際、留学してみていかがでしたか?

 私はこの高校の時の留学で2つのことを学んだと思っています。
 1つ目は、親のありがたみ。海外で誰も知っている人がいないところで暮らすことで、心から親のありがたみを実感しました。
 2つ目は、どうやら日本で学べないことは沢山あるようだ。ということです。英語を話せるようになることで、何かもっと学べることがあるのではないかと思い、大学卒業後は、まだ日本で学べる場所が限られていたプログラミングやITを学ぶために海外の大学に進学しました。それが、その後の仕事にも活きています。

言語を育てる、言語というツールの持つ力

ー日本語では手に入れられない情報、英語でなら知れる世界があるんだ。と気づくことが英語を学び続けるモチベーションにもなるんですね。結果的に、留学はしたほうがいいと思いますか?

 年齢によると思います。高校、もしくは大学在学中であれば、ぜひ留学してみたらいいのではないでしょうか。特に18歳まではまだ脳が成長中なので、ネイティブ発音も身につけることができると思います。ただし、早すぎると”基準の言語”がなくなってしまうのが心配です。

ー”基準の言語”とはどういうことでしょうか?

 思考するための言葉のことです。日本人であれば、概ね日本語で思考していると思います。
 自分の日本語力以上に英語力は上がりません。例えば、情緒的な話や表現を日本語で出来ないのに、それが英語で出来るわけはありません。私は、高校時代の留学から帰ってから、日本語をものすごく勉強しました。古典や日本の歴史などを。

 日本語も英語もネイティブ並みの発音で完璧なバイリンガルの人でも、基準の言語が育っていないと深い話ができません。そんな人を私は何人も見てきました。
英語を話せることはいいことなのですが、まずは、”基準の言語”をしっかりと育てて思考を深めれるようにしてあげることが大切だと思います。

ー最後に一つ教えてください。英語が話せればビジネスも旅もどこの国でもあまり困らないと思うのですが、それでもなお、8ヶ国語を話せるようになるまで言語を学ぶのはどうしてでしょうか?
 
 
単純に”人が好き”だからです。
 これは心理学的な面もあるのですが、相手の言語がマイナーであればあるほど、相手の言語を話すことで相手に喜ばれます。自分の言語を話してくれる人を瞬時に信頼してしまうんですね。日本に来ている外国人が日本語を話してくれてたら、どんな気持ちになりますか?

 これはビジネスの現場でも使える手法です。会議やプレゼンテーションは英語でする場合でも、最初の挨拶は相手の言語でするようにしています。そうすることで、相手に好印象を持ってもらえて、プレゼンテーションの成功率も上がります。

 そういう手法的なこともありますが、私はその国の人と仲良くなりたいので、その国の言語を学んで旅に出ます。そして、その国の言語で旅先の人とコミュニケーションをとることを楽しんでいるんです。

終わりに

 全2回、計3時間に及ぶマルチリンガル新条正恵さんへのインタビュー。
全てを記録することはできていませんが、印象に残ったお話を記録してみました。

 正恵さんは、自身の目標を明確に掲げて、そこに向けて自分の足で歩める人。
そして何より、人が好き!好奇心が旺盛!そんな印象を持ちました。

 ついつい、目の前のテストのためや苦手なものとして意識してしまう”英語学習”。しかし”英語が話せること”の本質的な意味はきっとそこではないのでしょうね。
 人とのコミュニケーションツールの一つとして、日本語で知ることのできないことを知ることができて、視野が広がる楽しさを感じるためのツールとして、英語と楽しみながら向き合っていけたらとあらためて思いました。

 また我が子にも、学校での勉強科目としてではなく、友達と話せる楽しさや自分の好きなことをどんどん知れるための英語。として、英語に、そして、その他の言語に触れ合ってもらえる機会を増やすことができたらいいなと思います。