【広島県:大久野島】700羽のウサギに癒される無人島はお泊りでも大満足!
かつては軍事上の理由により地図上から消された瀬戸内海に浮かぶ島。現在もほぼ島全体が環境省の国有地となっています。昭和初期には全国で 2箇所、帝国陸軍では唯一の毒ガス製造工場がありましたが、現在は700羽を超えるウサギの島として国内外の観光客に知られていますね。1967年には国民休暇村(2001年に現在の休暇村へ改名)が設置され、2010年代以降は海外のメディアでも取り上げられたことから、国内外より癒しを求める観光客を集めています。
羽田空港:朝早い便で広島へ
国内の空港利用歴をどこまで増やせるかも旅の楽しみになっています(苦笑
今回はまだ利用したことのない広島空港へ降りて瀬戸内海を目指します。岡山と同じで空港がちょっと山間部にあるんですよね。
ステータス修業をしていたので、空港に来ない週末は不思議な脱力感を覚え、空港にくると安心するという変な感覚が根付きます(笑
8時過ぎくらいには広島に到着予定です。
本土はANAもJALも変わらないくらい飛ばしてくれていますが、鹿児島や沖縄の離島に行くとJAL系列のグループ力を感じますね。
広島空港:山間部の空港から乗り合いタクシーで竹原へ
広島空港から竹原(竹原港もしくは竹原駅)まではお得な?乗り合いタクシー(安全タクシーが運行するジャンボタクシー)があります。定員が9名なので事前の電話予約が安心です。片道1,500円/人ですので、たぶん3人までなら乗り合いの方がお安いかと思われます。空港警察派出所前が乗り場です。
JR竹原駅:駅の海側は巨大な金属工場が広がっている?
広島空港から乗り合いタクシーに乗車、30分ほどでJR呉線の竹原駅に到着です。途中の信号はほぼ黄色点滅なので渋滞知らずでした(笑
呉線は三原駅から海田市駅(かいたいちえき)を結ぶ単線で一部区間はワンマン運転を行っています。電車は概ね 1時間に一本です。
出発が早く朝食にありつけていないので、駅前にあったこちらでモーニングをいただきます。電車の待ち時間に気軽に立ち寄れそうなレトロな喫茶店の雰囲気がとても良いです。
我々世代には妙に落ち着く喫茶店らしいモーニング、バランスも良さそうですね。店内もレトロな雰囲気で、優しそうなオーナーのもとへ常連さんが通うお店とすぐに感じ取ることができました。
JR忠海駅:うさぎの島への玄関口はコミュニティーセンター併設のほぼ無人駅
駅舎は大きく見えますが、「ふれあいステーションただのうみ」の建物の一角に駅舎がある感じなので、JR忠海駅の施設は写真に写っている部分だけみたいです。ほぼ無人駅らしいのですが、ここがうさぎの島への渡船が出ている港の最寄り駅なので、大久野島への観光案内がたくさん貼りだされていました。
うさぎの島(大久野島)では餌が入手できないので、島へ渡る前に調達する必要があります。港のショップにペレットも売っていて、こちらを購入する方が多いと思いますが、せっかくなので野菜を調達に。実際に餌を持ち込んでみた感想では人参の食いつきが良かったように思いました。
駅の並びにあるコンビニにも少し野菜が置かれていますが、駅から5分ほど歩いたスーパーマミーさんで人参やキャベツを購入しました。
アヲハタ ジャムデッキ:予約が取れなかったのでせめて写真だけでも(汗
忠海駅付近にはジャムでお馴染みのアヲハタさんの大きな工場があって、こちらで工場見学やジャム作り体験ができます。数日前から事前予約を試みましたが既に満員。キャンセルも出なかったので訪問は叶いませんでした。せめて写真だけでも…(苦笑
忠海港:うさぎの島への玄関口、週末や観光シーズンには乗船待ちの行列も!
瀬戸内海をはじめ国内各所に猫島なるものはいくつか聞いたことがありますが、うさぎ島の存在を知ったのは初めてでした。我々が訪れた2023年では700羽と言われていましたが、最近ではその数も減少傾向なのでしょうか?
野菜も購入したのですが、こちらのショップでペレット(2種類)も購入しました。
大久野島:大三島を結ぶ大型フェリーと休暇村運営の小型客船で
我々が行った時は大久野島の大きい方の桟橋が工事中でして、大三島(おおみしま)とを結ぶ大型フェリー(300人)が接岸できないので、休暇村運営の小型客船(100人)のみしか運航していませんでした。おかげで忠海港には乗船待ちの長蛇の列が(泣
1便やり過ごして2便目でなんとか上陸です。
船の時間に合わせて?休暇村の送迎バスが船着き場で待機しています。歩いても5分程度なので、多くの方が歩いて休暇村の方へ向かわれていました。我々も宿泊客ですが休暇村まで歩きました。途中途中でうさぎの餌やりで癒されていたので 20分以上かかったかな(苦笑
船着き場付近にいるウサギ達は、日帰りの観光客を含めたくさん餌をもらっているので、あまりガツガツは寄ってこないですね(苦笑
休暇村方面に歩いて行く途中で出会うウサギ達は愛嬌たっぷりで寄って来てくれます。跪くと足の上にも乗ってきます。船内にも来島時の注意事項の記載があったので、よく読んでマナーを守って楽しみましょう。
大久野島ビジターセンター:センター前にはうさぎ耳集音器が!
大久野島ビジターセンター前には身長に合わせた うさぎの耳型集音器があります。静かな瀬戸内のさざ波の音もしっかり拾います。鳥の囀りも心地よいですね。耳の方向は回転させることができます。
桟橋からもほど近いところにビジターセンターがあって、大久野島をはじめとした瀬戸内海の自然を体験・学習できる展示や和紙作りの工房などがあります。また竹を使ったリースなども作れるようです。
ガリガリと音をたてて噛り付く姿に何度も癒されますねぇ。もっと人参持ってくればよかったなぁ。キャベツも食べてくれるのですが、すぐ飽きちゃうみたいですね。ペレットは掌から食べてくれるのでくすぐったいです。
毒ガス資料館:恒久平和を願って毒ガス兵器製造の歴史資料を展示しています
昭和初期から島全体が陸軍による毒ガス兵器製造を目的とした管理下に入り昭和20年まで続けられました。日本軍が毒ガスを製造していたことは、なんと昭和59年まで秘匿にされており、旧日本軍関係者しか事実を知らなかったそうです。
休暇村大久野島:島唯一の宿泊施設のバイキングが豪華すぎた!
休暇村前の広場はウサギが掘った穴でボコボコでした(苦笑
ウサギとのふれ合いや癒しを求めて海外からも訪れる人は増え続けているそうです。大浴場(温泉)もあって、日帰りで訪れる方も少なくないですが、ぜひ泊まって癒しの島を堪能して欲しいですね。朝夕食のバイキングも広島牛や牡蠣など豪華過ぎました!
南国感漂う休暇村前の広場ですが、波も穏やかな瀬戸内海ですのでとても静かです。夜になっても宿泊客が外に出てはウサギ達に癒されています。ウサギって夜行性なのかな?客室からも昼間より活発に動いているように見えました。
決してコマーシャルを意図した写真ではありません(汗
ロビーを入った正面にフォトスポットとして大きなポスターが貼ってあって、あまりにもインパクトが強かったので接写しました(笑
毒ガス関連施設:休暇村でレンタル自転車を借りて島の歴史を学ぼう!
休暇村で自転車を借りて島を周回しました。のり面へ隠すように造られた大久野島最大の毒ガス貯蔵庫の跡地です。コンクリートは当時貴重なものだったといいます。戦後はGHQが接収し火炎放射器で残留毒素を焼却したとか。無毒化からはかなりの年月を経ていますが…
内部へは立ち入り禁止となっています。
毒ガス製造当時の一日の就労者数は5,000人を超え、合計6,600トンも製造されたとも言われており、終戦後は誰も住まなくなった大久野島は戦時中の戦略的な理由からも、終戦後も人が住むことが困難であったことからも「地図から消された島」として扱われてきたんですね。
毒ガスの製造を支えた電力の源となる発電所跡。重油を炊いてタービンを回すディーゼル発電所で、最盛期の昭和9年には 8基の発電機で製造工場を支えていたそうです。昭和16年には本土から海底ケーブルを敷設し電力供給も受けていたらしい。
船着き場から離れ、通りかかる観光客が少ない島北部エリアにいるウサギ達は餌の食べっぷりが半端ないですね。すぐ5, 6羽に囲まれてしまいますが、それも嬉しい癒しだったりします。何羽か集まって来た時に掌にペレットをのせて差し出すともの凄い奪い合いが発生します(笑
大久野島灯台:瀬戸内海の難所来島海峡を回避する航路を見守る
翌朝、休暇村からビジターセンター付近を散策します。
戦時中はほぼ島全体が軍用地であり、毒ガス製造から島の存在すら軍事秘密となっていましたが、この灯台付近だけは逓信省(のちの郵政省・通信省)が所管していたそうです。以前は中にも入れたみたいですね。
ラビットライン:三原港へ直行便は土日限定の運航です!
帰りに三原でやりたいことがあったので、帰りは忠海港へは戻る休暇村の船は利用せず、土日のみ三原間を運行しているラビットラインを利用しました。ちょっとだけお高めですが目的地までダイレクトに行けるので助かりました。所要時間は概ね40分ほどでした。
三原港に到着です。さすがに新幹線の駅もあるので街は開けていますね。
三原港からは佐木島や生口島、愛媛県の生名島などへの船があり、瀬戸内海の島巡りの一拠点となっています。ではここから三原駅まで歩きます。
大島神社:三原駅北側斜面に鮮やかな連立鳥居が!
三原駅北口には神社やお寺が多く、連立鳥居が美しいらしいので大島神社を散策することに。写真は途中の西法寺の階段にあった雛人形。三原の「おひなまつり」ではお寺の石段に雛飾りを施し、街歩きを楽しんでもらうイベントになっているそうです。
大島神社の連立鳥居です。社殿が小高い丘にあって、そこまでの石段に計62基の鳥居が並びます。2020年11月に完成したとのことで、まだ新しいこともあって朱色が鮮やかですね。インスタ映えスポットとしても注目されているそうです。
こだま500系:せっかく広島に来たので500系に乗ろう!ついでにハローキティも!
せっかく中国地方に来たので、いつ退役が発表されるかもしれない500系新幹線に乗っておきたかったのが、大久野島の帰りに三原へ寄った理由でした、空港へもバスが出てるしね(苦笑 500系はデビュー当時から一番未来感を感じた新幹線でした。美しいフォルムですね、もうワクワクしかありません。
三原駅から一駅、新尾道駅までこだま500系に乗りました(嬉
お昼をここで食べて三原駅に戻ろうと考えていましたが、新尾道駅内にも駅の周辺にも飲食店が無く、お昼ご飯にありつくことができませんでした。諦めて三原に戻ります。もちろん帰りの一駅もこだま500系ですが、ただの500系ではありませんよ。(笑
新尾道から三原までの新幹線の時間はこのハローキティ新幹線に合わせました。こちらも企画ものの車両ですから、せっかくなので乗っておきましょうということで(苦笑 500系の退役はまだまだ先なのかな?
外観もカワイイのですが、内装もなかなか凝っていますね。一駅の乗車だったので隅々まで見ることはできませんでしたが良い記念になりました。
皆さまもぜひ時間を合わせて乗車してみてください。
さて、三原駅からバスで広島空港へ向かいます。40分ほどでしたがほぼ定刻どおりの到着でした。三原からも途中の信号は黄色点滅が殆どでしたからね。大久野島ではしっかりとウサギに癒されて、三原では念願の500系新幹線の乗車も叶えることができました。さて、次はどの島へ行こうかな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?