第5話「IRENE CASSINI(アイリーン・カッシーニ)という名前に秘められた物語:前篇」 ~『GATTACA(ガタカ)』徹底考察~
では次に「IRENE CASSINI(アイリーン・カッシーニ)」の名前について深読みしてみよう…
「JEROME EUGENE MORROW(ジェローム・ユージーン・モロー)」についてはコチラ…
そして「VINCENT ANTON FREEMAN(ヴィンセント・アントン・フリーマン)」についてはコチラを参照してください。
そういえば花笠君って、アイリーン役のUma Thurman(ユマ・サーマン)に似てるよね。
よく言われるでしょ?
ええ…たまに…
シレーっと肯定すな。少しは謙遜せえや。
花笠君は学生時代、本当に「UMA(ユーマ:未確認生物)」と呼ばれていたからね。
あの不可思議な能力《深詠み》で難事件を次々と解き明かすもんだから、深読み探偵学校の生徒たちは皆、花笠君を畏れていた。
いや、生徒だけでなく、講師たちも花笠君には脱帽してたな…
当時は「神様仏様UMA様」なんて言われていたっけ…
UMA様~ん(笑)
もう、教官…やめてください…
今日の「恩師を囲む会」には、君の知る人も何人か来る。
あの頃の深読み探偵学校の講師たちは、ほとんどが僕と同じように恩師の門下生だったからね。
せっかくだから君も少し顔を出したらいいよ。
恩師も、君みたいな優秀で美しい孫弟子がいると知ったら喜ぶだろうし…
で、でも…
そんなことよりも「アイリーン・カッシーニ」の名前解読を始めようよ!
そうだったね。
まずはファーストネームの「IRENE」から深読みしていこう。
「アイリーン」っちゅうたら『GOODNIGHT IRENE』やろ。
ベタ過ぎ…
「IRENE」とはギリシャ神話の女神「エイレーネー」が由来の名前だ。
「平和」という意味で、ローマ神話では「PAX(パックス)」となった。
平和?
せやったら『GOODNIGHT IRENE』は『おやすみ、平和』になるんか?
この歌はアイリーンと別れてもうた男の歌やで。しかも結婚した翌週にな。
結婚した翌週!?
「まだ時期尚早」という親御さんの反対を押し切って結婚したっちゅうのに、男は夜遊びをやめへんかったんや…
そんな夫の姿を見て、新妻アイリーンは出て行ってもうた。
落ち込んだ男は、現実世界ではもう会えへんから「おやすみアイリーン。お前と夢で逢えたらええな」って歌うんや。
あれだけ結婚を切望してたのに、変われなかった男…
そんな男に愛想をつかして出て行った「平和」…
そして男は「平和」の夢を見る…
なんか、めっちゃ意味深…
だから1950年代のフォークブームの時にリバイバルで大ヒットしたんだよ。
50年代には朝鮮戦争があって、東西冷戦が激化した時代だったからね。
人々は、第二次世界大戦の終結でようやく待ち焦がれた「平和」が訪れたと思っていたのに、すぐに「平和」が去ってしまってショックを受けていた。
そんな世情に歌詞がドンピシャだったんだ。
男も…国家も…本当に身勝手…
悲しい思いをしている人のことなんて、これっぽっちも考えない…
今日はやけに棘があるな…
なんかあったんか?
そして「IRENE」といえば、歴史上にもうひとり有名な人物がいる…
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