「なぜグリンチが侵入したのはJ.P.Who氏の家だったのか?」~Dr. Seuss『How the GRINCH STOLE CHRISTMAS』第2話
さて、クリスマスを盗まれた村人が歓喜の歌声を上げた理由もわかったことだし、今回は『How the GRINCH STOLE CHRISTMAS』の細部を見ていこう。
前回を未読の人は、まずコチラをどうぞ!
まずはこの物語を書いたDr. Seussの「想い」についてから。
『How the GRINCH STOLE CHRISTMAS』の創作は、Dr. Seussが12月26日の朝に歯磨きをしていた時に、自分の顔を洗面台の鏡で見たところからスタートする。
その時の自分の顔をモデルにしてグリンチを思いついたそうだ。
そんな不機嫌で「悪だくみ」しそうな顔しとったんか?
しかもクリスマスの次の日の朝に?
そのようだ。
きっと最初は「今年もまた、やってしまった…」と暗い顔をしていて、途中で何かを閃いたんだと思う。
グリンチみたいにね。
「またやってしまった」って、ドクター・スースは何をやってしまったの?
浮かれたクリスマスを、だよ。
浮かれたクリスマス!?
53年もの間、下界の人間たちがバカ騒ぎしながら祝うクリスマスを苦々しく思いながらも我慢してきた孤独なグリンチとは、作者であるDr. Seuss自身の投影だ。
この物語を書いた時、彼は53歳だったからね。
そしてDr. Seussは、結婚はしていたけど子供はいなかった。
だから日常の日々は、とても静かなものだったことが予想できる。
だけど、クリスマスは別だ…
どうして?
クリスマス・シーズンに入ると町じゅうが浮かれ、彼の甥っ子姪っ子たちも浮かれ出すからだよ…
もしかしたらDr. Seussは、実家や兄弟姉妹の家のクリスマス・ディナーにお呼ばれされたかもしれない…
そうしたら必然的に甥っ子や姪っ子たちのために、浮かれたクリスマスに付き合わなければならないよね…
アメリカ人は浮かれたクリスマスが大好きなんじゃないの?
せやで。そもそも今のクリスマスのスタイルはアメリカ発やんけ。
モルガンとロックフェラーとコカ・コーラの陰謀や。
サンタクロースが赤いのも、全部アメリカのせいや!
だけど19世紀に入るまでは、アメリカは「反クリスマス」だったんだよ。
というか、アメリカ合衆国という国は、そもそも「反クリスマス」を掲げた人たちによって建国されたんだ。
ええ~!?どゆこと!?
アメリカ人のルーツである「ピルグリム・ファーザーズ」ことピューリタンたちは、イギリスでクリスマスに反対していた人たちなんだ。
マ、マジで!?
彼らピューリタンがメイフラワー号で大西洋を渡る前のこと…
<続きはコチラ!>
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?