第24回:貼り付け作業員ジェローム『THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURI(スリー・ビルボード)』徹底解説
さて今回は「スリービルボードの修復」からだったね。
前回の入院シーンはコチラ!
大して重要なシーンとちゃうやろ。
さっさとレストランでの「ダブルデート」シーンへ行こや。
スリービルボード修復シーンは、この映画のテーマを再確認させてくれる重要なシーンなのだ。
そんなことにも気付かないとは相変わらずの節穴っぷりだな…
お前の目にはウロコがついたままか?(笑)
なんやとォ!?
もういっぺん言うてみい、公園兄弟!
落ち着いて、ナンボク…
公園兄弟の言う通りなんだ。
映画の最終幕への導入部的役割を担うあの場面は、「スリービルボードの意味」が再提示される重要なシーンなんだよ。
「スリービルボードの意味」が再提示される?
順を追って解説しよう。
まずミルドレッドの自宅に、ひとりの男がやって来た。
ミルドレッドはその男を知らないので、警戒して玄関のドアを開けない。
土産物屋に来た恫喝男の件もあったからね。
こいつは初見やあらへん。
映画の冒頭でハリツケ作業をしていた男やんけ。
《磔》じゃなくて《貼り付け》でしょ…
ワイは《磔》なんて言うとらん!
《貼り付け》って言うたで!
日本語って紛らわしいな…
ところでこの人って、たまたま夜の巡回で通りがかったディクソンに「逮捕できるもんなら、やってみろ」と楯突いた人だよね。
なんでミルドレッドは知らないの?
あの時ミルドレッドは《貼り付け作業》を見に行かなかったからね。
だから作業員とは面識がないんだ。
大事な《貼り付け作業》くらい見に行けや!
目と鼻の先やんけ!
うるさいぞ、節穴。
冒頭でこの作業員とミルドレッドが知り合っては「物語の構成上」マズいのだ。
ミルドレッドが《貼り付け作業》を見に行かなかったことには重要な意味が隠されている。
両者が出会うのがラスト近辺でなければならない理由がちゃんとあるのだよ。
そして男の名前が冒頭で明かされなかったことにも理由が…
そういえば、男はディクソンに「お前を知っている」と言ったけど、ディクソンは男を知らなかったんだよね…
だから冒頭で男の名前は出て来なかった…
男の名は「JEROME(ジェローム)」という。
「JERUSALEM(エルサレム)」と「ROME(ローマ)」がくっついた名前だね。
ハァ!?
<続きはコチラ!>
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