コーエン兄弟『バートン・フィンク』徹底解剖22「7時台」
さて、今回は「7時59分」の解説からだね。
その前に、前回を未読の方はコチラ!
もう無駄話ナシでガンガン進めようや。
OK。僕もそろそろ次の作品に移りたいと思ってたところだ。
noteで中断してるシリーズも、こっちに引っ越しして再開させなきゃいけないしね。
カズオ・イシグロ…
クリストファー・ノーラン…
ルネ・クレマン…
他にもまだあったような気がするな…
しかしこれじゃあ、体がいくつあっても足りないね(笑)
ようやるわホンマ。1円にもならんことを。
この労力と時間を別の…
はいはい、無駄話はナシでお願いします!
だね。では解説を進めよう。
意識の戻ったバートンが見た時間「7時59分」が意味するもの…
それは「一連の出来事が7時台に起きた」ということを表しているんだ。
朝バートンが目覚めて、殺されたオードリーを発見して、チャーリーに助けを求めて、意識を失って、正気に戻った…という一連の流れが全て「7時台」の出来事だったという意味なんだよね。
なぬ!?
思い出してほしい…
このホテルの「6階」とは、新約聖書の『ローマ人への手紙』第6章が投影されていたよね。
部屋番号が「章・節」に対応していたわけだ。
バートンの部屋「621号室」には「第6章21節」が投影されている。
6:21 その時あなたがたは、どんな実を結んだのか。それは、今では恥とするようなものであった。それらのものの終極は、死である。
バートンは創作に行き詰り、大作家W.P.の秘書兼ゴーストライターであるオードリーに助けを求めてしまった。
オードリーは「既婚者W.P.の愛人」でもあったので、バートンは「淫婦」と肉体関係を結んでしまったことにもなる。
バートンは作家としても人間としても恥ずべき行為をしてしまったんだね。
そして、それらのものの終極は「死」であるというんだ。
いっぽうチャーリーの部屋「623号室」は第6章の最終節23が投影されている。
殺人鬼チャーリーにとって「死」とはまさに「報酬」だ。
だから事件は「7時台」に起こった…
つまり、オードリー殺人事件は『ローマ人への手紙』第7章に対応しているということなんだよ。
じゃあ、やっぱり犯人はチャーリー…
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