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2022年J2第17節アルビレックス新潟-横浜FC「越乃寒梅」

新潟には何をしにいったのだろう。観戦したのは土曜なのに、未だに旅の疲れがあって中々文章にするのが難しい。やはり新潟は米どころ、そして酒どころ。負けた試合の後に酒を飲み、そして帰路についた電車でもさらに奥信濃の名酒をグビグビと。日曜日の夕方以降は正直どう帰宅したのかもあやふや。月曜は疲労困憊で仕事するのがやっと。もう水曜になってしまった。

正直開始6分の試合展開でゲームはほとんど決まってしまったと言ってよい。右サイドで新潟・小見の突破を許してシュートの跳ね返りを三戸に決められて前半1分に失点すると、前半6分には裏のスペースに抜け出された小見を止められずフリーでシュートを許してさらに失点。

そこから横浜はペースを落として自陣でブロックを作る新潟の攻略を図るが、自分たちのミスも重なりシュートを放つこともできない。前半39分には亀川を下げて齋藤を入れて前進することを試みるが効果は限定的。

後半5分には新潟に追加点。岩武がバックパスの次の動作を迷っているとプレッシャーを受けてボールをロスト。GKブローダーセンも交わされて3失点目。

ここから横浜は前線の2人のFWを下げてボールを握ってつなぐことよりも、ロングカウンターを目指した。サウロ・ミネイロに決定機は幾度かあったものの枠をとらえきれず試合は無得点で終了。

ざっと試合の流れを説明するとこのくらいに。

最近の横浜の問題点は、カウンターの発動が少ないこと。栃木戦や秋田戦で相手のベースがカウンターで5バックでとにかく構える陣容であれば特にショートカウンターは生まれにくいが、徳島戦ではサイドに山下がいても裏を狙う姿勢は少ないと感じている。チームの戦い方の話なのか、選手の考え方の話なのかわからないが、サイドで1対1を作るのが様式美に感じる。
新潟戦では時折山下のいたサイドの裏を取ろうとするケースはあったが単発で、連動してそうした動きを感じていない。
2点リードしたのもあってか新潟はカウンター発動が上手い。スタメン見て、小見、伊藤、三戸ってクイックネス溢れる選手ばかりでどう対応していくのかと思っていたら振り回されるだけの前半45分になった。

もう一つは長谷川が前を向いてボールを受けるシーンが少ないこと。ディフェンスラインからボールが出てくる時は、ほとんど相手を背負っている。シェイプを変える為に時間を使うし、左サイドも一歩遅くなる。結局向きを変えずに蹴ることのできる右サイドへの大きなボールか、戻すか、ためるか、背負いながら切り返して捩じりこむかの選択肢に限定される気もする。
もっと低い位置で受けると前を向ける反面、前線と遠くなってしまうし、もっとサイドで受けようとすると左WBの選手のプレーエリアと被る。だから長谷川をサイドでといった声も出てくる。

3-0の敗戦となったが、むしろすっきりしている感じもあった。完膚なきまでに負けたというべきか。

印象に残っているのは、試合後その際にキャプテンマークを巻いていた岩武が、スタッフが制止するラインよりもさらにスタンド側に入って並んだこと。大敗した試合で過去に騒動を起こしているサポーターに近づくのも面倒だと思うが、そこでも敢えてやってきたことにはリスペクトがある。
サウロも悔しさではなく、たぶん自分のふがいなさで泣いていて一種カオスだった。サポーターも一段と拍手は大きくなったし、振り上げた拳の落としどころがないのではなく、振り上げた拳は戦うんだぞ折れてないぞの意思表示に感じた。

負けは負けだが、それ以上に価値ある敗戦とするにはどうすべきか。勝ち点は0かもしれない。下を向く選手もいた。でも、その姿を上を向かせるのもサポーターの仕事かもしれないと考えるならこの敗戦後の振る舞いには意味がある。
試合前に横浜の運営から「今日は何もないように」と事前にアドバイス?があった。群馬戦の試合後、長谷川が激高した件が念頭にあったのだろう。試合はそのフラグの通り何もなかったが、試合後の高ぶりはグッとくるものがあったと言いたい。3位後退でチームの調子も上向きとは言えない。それでも、また前を向かせる熱いゲキがそこにはあった。声が出せないのはもどかしい。罵声のためでなく、激励のために。

と、それを新潟の飲み屋で思い出しながら。手に取っていたのは、あの越乃寒梅。新潟らしい辛口ながら後味すっきりの淡麗辛口の日本酒。試合には負けたけど、スタジアムを出ることにはすっきりしていた。ああ、この味はそれなのか。越乃寒梅ならぬ越に完敗。一番好きなのは、上善如水。するする飲めるあの酒が一番好きなんだけど、そういえたのは若くて爽やかだったころだけ。水曜は南部美人(岩手県)を飲んでみるか。


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