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黒歴史
皆さんは「中二病」なる言葉をご存じでしょうか。
だいぶ昔からあるネットスラングですが、まあ中二くらいの思春期にやりがちな、痛々しい言動を指す言葉ですね。「厨二病」と表記されることもあるようです。
わたくしヒロオカも思春期は重度の中二病を患ってしまい、とりかえしのつかない黒歴史を量産して生きてきました。
今日はそんなワタクシの見るに堪えない生き様を一部、ご紹介しようかと思います。
中二病を発症したのは中学に上がってすぐの頃からでした。
当時流行っていたヤンキー系の漫画にモロに影響されて、男はちょい悪で無口でケンカに強いのがモテる、と信じ込んでいました。
ある日、泣き虫と評判のクラスメイト小橋君と、ワタクシが言い合いになったことがありました。
その時ワタクシは、(コイツになら俺でも勝てるな!)と思い、こちらからケンカを吹っ掛けました。
その結果、ものの見事に一撃で返り討ちに遭ってしまいました。ワタクシは顔面を大きく腫らしてしまい、その噂はあっと言う間に学年中に広がってしまいました。
そして小橋君以下のクソ雑魚という不名誉な称号をゲットした挙句、担任にもボロクソに怒られました。
その時の担任の言葉が忘れられません。
「お前はさ、すぐに泣く小橋になら勝てると思って手を出したんだろ?でもな、お前はそんな小橋より弱いんだよ! そんな顔を腫らして・・・それほどに弱いんだよ!!」
泣きました。
それでもまだワルぶりたかったワタクシは、懲りずにまた次の恥を晒します。
ワルと言えば、授業をさぼって屋上でタバコです。
ですが授業をサボる度胸も、タバコを吸う度胸もありません。しかも屋上は扉に鍵がかけられてて出れません。その屋上への扉に繋がる階段は、立ち入り禁止になっています。
でも、その誰も入らない階段を上がって、屋上扉前の踊り場スペースで寝たりしたらワルっぽくてかっこよくね?
そう思ったワタクシは、昼休みになると外にサッカーしにいくクラスメイトをよそに、一人で校舎の階段を駆け上がりました。そして誰も入らない屋上扉前に向かいました。
そこはおあつらえ向きに使われていない机がいくつか置いてあったので、そいつをくっつけてベッド状にし、ワタクシはそこに寝っ転がりました。
それ以降、昼休みはその秘密の場所で、眠くも無いのに寝て過ごすのが日課となりました。
ある日、いつものように誰も立ち入らないこの場所で寝ていたら、偶然同級生の好きな女の子に見つかってしまい
「あれ?ヒロオカくん・・・こんなところで一人で何してるの?」
「俺に構うな・・・あっち行ってくれ。俺は一人になりたいんだ」
「あ、う、うん、ごめんね。(やだ、孤独を好む男カッコイイ♡)」
こんな妄想をしながら、クラスメイトと戯れないで孤高に生きる俺マジかっけぇ・・・と悦に浸っていました。
その時、誰かが階段を上ってくる音が聞こえてきました。
え、誰か来る!?
あ、でも女の子かもしれないし、ここはとりあえず寝たふり・・・と思ってたら、現れたのはヤンキー風の怖い上級生2人。
うげ。
「は?一年坊がこんなとこでナニしてんだてめぇ!?」
「エ? ア、ハイ、ス、スミマセン・・・・」
「てめぇヒロオカってのか。お前ちょっと待っとけよ!」
そう言い残して上級生は一旦去って行きました。
やべぇ、仲間呼んでボコられる・・・?
名札で名前知られちゃったし、逃げても後でボコられるよな・・・どうしよどうしよ・・・
度胸のないくせにハンパなことばっかりやってたワタクシは、小鹿のように震えて誰もいない空間で待ち続けました。
やがて足音が聞こえて、やってきたのはさっきのヤンキー二人と体育教師。
「僕たちがぁ、たまたまこの階段を上ってくこの一年生を見かけたんでぇ・・・」
いやお前らヤンキーのくせに何普通に教師にチクっとんねん。
もちろんワタクシはその後ボロクソに説教され、担任にも報告され、追加でまたボロクソに説教されました。
そんなワタクシは、クラスの集合写真でも恥を晒します。
ワルは笑顔なんか見せない。ちょっと角度をつけ、鋭い眼光でカメラを睨みつけるようにキメ顔をする。それが最高にかっこいい男。
あー俺だけカッコよく写っちゃってるだろうなぁ。
後日、出来上がった写真を見ると、みんなニッコリしてるのに一人だけ超目つき悪い。
この写真、クラス全員の手元にずっと残るんだよね。
見るに堪えなくなり捨てました。
そういや、こういう集合写真て事あるごとに撮るじゃないですか。体育祭や文化祭、修学旅行、あと卒業アルバム用にも。
で、それらの集合写真を撮る頃、世の中ではナイキのスニーカー、エアMAXがブームだったんですよ。
ワタクシはそのエアMAXを手に入れてて、もう見せびらかしたくてしょうがなかったんです。
で、その集合写真なんですがね。
どれを見ても最前列でしゃがんでいるワタクシ、不自然なくらい片足が前に出てるんですよ。
その卒業アルバムも集合写真も全部捨てました。
まだまだあります。
遠足の時って、事前にバスの席とかって皆で決めたりするじゃないですか。
基本クラスのカースト上位は、バスの一番後ろとその周辺を独占します。で、席が前に行けば行くほどカースト下位の人間になっていきます。
カースト下位のワタクシはどうせクソみたいな席になるのはわかりきってたので、余ったトコでいいぜ、寝てるから勝手に決めといてくれや。という態度で席決めに参加しなかったんですよ。
まあ、群れるのも、いちいち席決めで騒ぐのもダサいですしね。自ら孤独を選ぶスタイルをアピールです。
といっても内心誰かが「ヒロオカ一緒にすわろーぜー」と声をかけてくれるのを期待していたんですが。
でも誰も声掛けてくれませんでした。
全員の席が決まったっぽいタイミングで顔を上げて黒板の座席表を見ると、全ての席が埋まってるのにワタクシの名前がありません。
そんなことある?
普通バスの席って、クラス全員座りきれるよね?ウチのクラスって人数多いんか?
おそるおそる挙手して、
「あの・・・僕まだ決まってないんですけど・・・」
と言うと、担任ブチ切れ。
「お前は皆との話し合いにも参加しないで寝てたじゃないか!」と、公開処刑。
それがカッコイイと思ってたんだよぉ・・・
結局席は、座席と座席の間の通路にある折り畳みの補助席。人が通るたびに立ち上がって席を畳んでどかなければならない、超邪魔で迷惑な位置。
クラスの連中にしばらくネタにされました。
ところでワタクシは、2年の夏休みまではバレーボール部に所属しておりまして。
指にテーピング巻いてるバレー部の先輩たちの姿が、いかにもスポーツマンぽくてカッコいいな~と憧れていました。
ワタクシもクラスの女子にそんな自分を演出したくて、教室で
「ッカ~指いてぇ~!昨日の練習で指痛めたわ~~~!(大声)」
とか言いながら、痛めてもないのに指にぐるぐるテーピング巻いたりしてたものです。
そして2年の夏休み後からは諸事情により陸上部に転部しました。
その頃は練習のおかげか身体が結構締まってきたので、女子に見てほしくて、着替えるフリして上半身裸で教室を意味も無くウロついたものです。
でも側から見たらただの露出狂です。
卒業式の日。
別に寂しくなんかねぇぜ。やっと卒業出来てせいせいするぜ。
そんな態度で、式の最中以外は終始ポケットに手を突っ込んで行動していたら、クラスメイトのロクに話したことも無い女子に
「手出せよ!!」
てマジギレされて、びっくりして何も言い返せずオドオドと手を出すという醜態をクラスで晒しました。
そんな奇行を繰り返したヒロオカは、卒業文集の「クラスのミステリアスな人」なるもののランキング特集で1位を取ってしまいました。(実話)
卒業文集ももちろん捨てました。
未だにこれらを思い出して、枕に顔うずめて足バタバタしたりすることもあります。
記憶このままで中学校入学時に戻りたいです。
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