教育は強制?

「守・破・離」という言葉がある。
何事も基本が大切で最初が肝心だ、というのは中学校教員として働く上で実感していることでもある。

「黄金の3日間」と呼ばれる新年度の始めに学級としての型を作り、行事においてはまず教師のリーダーシップのもと雰囲気作りを行い、成功体験を積ませることで成長を促す。

初任者の時に教わったことでもあり、経験を重ねる中で「学級づくり」で大切にしてきたことでもある。

一方で、本当にこれで良いのか?という疑念も生まれてくる。「個別最適な学び」「自由進度学習」などについて学んでいくうちに、もっと生徒に任せる場面を増やしたり、失敗する体験を積ませたりしたほうが良いのではないか?と。

そうやって過ごしてみた今年度、なかなかうまくいかなかった。

生徒に任せる場面を増やすと、やはりうまくいかないことが増える。リーダーとなった生徒への不満が生まれることもある。学級としてのルールが曖昧で、3学期のこの時期になっても当たり前のことが当たり前にできていない。結果として叱ってしまうことが増えるという悪循環。

新年度のスタート、生徒一人一人が「頑張ろう」という気持ちを持っている時期に、教師がしっかりと「型」を作る。やはりそこが大事なのでは、と改めて感じている今日この頃。「型」を身に付けた生徒は逆にのびのびと自分の力を発揮するようになり、結果的に褒められることが増える。褒められると自信になるし、自己肯定感のアップに繋がる。自己肯定感がアップすると新しいことにチャレンジしようという意欲が湧いてくる。

「何事もバランスが大事」と言ってしまえばそれまでだが、どこまで強制するか、どこまで任せるか。かなり迷っている。担任業はなかなか大変で、正直に言ってしまえば精神的にも苦しいことも多い。いっそ教育は強制だと割り切って心を鬼にして生徒と対峙してしまった方が楽なのではないかとさえ思ってしまう。

こうやって悩んでいることが、いつの日か意味があったと思えるように、また来年度に向けての準備を始めていかなければならない。



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