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迷駅地下街と呼ばれる名古屋の地下街で道に迷った女性と出会った話。

少し前のこと。
名古屋駅の地下街を歩いていたら、スーツ姿の若い女性に「すみません」と声をかけられた。

立ち止まると「あのー、名古屋駅に行きたいのですが、この道であっていますか?」とのこと。

残念ながらまったくの逆方向へ向かっていたので、「逆ですね。名古屋駅のどこへ行きたいですか?」と聞くと「えっと…」とスマホに目を落とし「桜通線に乗りたいんです」と。

とりあえず、思いっきり逆方向の名古屋の地下街の端っこまでたどり着いていたので「私もそちら方面へ行くので、途中まで一緒に行きましょう」と言って歩き始めました。


明らかなリクルートスーツ姿だったので「もしかして就活?」と聞くと、「はいそうなんです。今から面接なんですけど…」と彼女。

時間を聞いたら、結構ギリギリだったので「少し早歩きでも大丈夫?」と、競歩手前の速さで歩く私たち。

歩きながら「どこから来たの?」とか「なぜ名古屋?」とか、色々聞いたり話したり。
なんでも、九州から彼が暮らす名古屋に来るのだそう。
何度か名古屋には遊びに来てるけど、一人で歩くのは初めてで迷ってしまったんだとか。


名古屋駅の地下街は「迷駅地下街」と呼ばれるぐらい、非常にややこしいところ。
私も迷わず歩けるようになったのは、ここ最近。
前は「地下は迷うから地上を歩こう」って、雨でも寒くても地上を歩いてたもん。

でもいまだに「この道がここにつながるのか…!」なんて発見もあったりする。
まさに迷駅地下街。


数分歩いて、どうにかたどり着いた名古屋駅。
この表示が現れたらもう安心。

「この赤い『桜通線』に従って行けば、行けるはずなので!」と伝えると、深々と頭を下げて「本当にありがとうございました!」と彼女。

「いいから早く早く!電車に乗らないと!面接頑張ってね!応援してる!」と伝えると、もう一度ぺこりと頭をさげて早歩きで立ち去っていきました。

その背中に精一杯のエールを送りながら、私も帰路につきました。


無事に間に合ったかなあ。
駅降りてから、面接会場まで行けたかなあ。
彼女の未来に幸多かれとそっと祈るばかりです。


最後に、名古屋の地下街を書いた素晴らしいXの投稿があるので貼っておきます。

て、絶対分からんよね。

地下街歩いてたと思ったら突然ビルに突入するのびっくりするし、そもそも地下街の名前多すぎやねん。

難易度の高い名古屋地下街。
お越しの際はお気をつけて。

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