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多分、紙をぺらぺらとめくって雑誌が読みたかったんだと思う。

いつから雑誌を買わなくなったんだろう。

昔はいつも、部屋の床に雑誌が数冊散らばっていた。
「InRed」「anan」「日経Woman」「Cut」「Oggi」「Domani」、若い頃は「nonno」「MORE」「東海Walker」、もっと若い頃は「明星」「平凡」「Duet」…。

それが、いつのまにか、買わなくなった。
多分、40歳前後から、どの雑誌を買ったらいいのかが分からなくなったんだと思う。

40歳手前で一度だけ「GLOW」を買ったら、当時の私にはちょと大人すぎて「これじゃないのか…」となったし、「Domani」とか「Oggi」はちょっと若くなってきたし、載ってるお洋服が高いし、自分の好みとも少しずれてきたし…って感じで、離れて行ったのだと思う。

結果、雑誌を読むのは美容院に行った時だけになった。

でも、その美容院で「どれがいいですか?」と何冊か見せられるのが、「オレンジページ」「レタスクラブ」「VERY」とか、主婦じゃないんだけどなあっていうラインナップだったりして萎えたりした。

内心、ああ…ってなりながらも、この中なら「VERY」かなって選択したら、ひたすら「子供と公園で走れるママコーデ」とか「ママ会コーデ」とか、とにかくやたらと「ママ」を推されて、「やっぱ、オレンジページにすればよかったかな…」と後悔したこともある。

あ、別に「VERY」をディスってはいないよ。
ターゲット層じゃない私が読んだのが間違いだっただけ。

最近は、美容院でもタブレットを渡されるようになり、好きなものを選べるようになった。
ありがたい。とてもありがたい。

でも、その結果、紙の雑誌を手に取ることはゼロになった。

コンビニに行っても、雑誌コーナーはスルー。
本屋に行っても、雑誌コーナーはたまに立ち読み程度。

今はネットがあるから「雑誌からじゃないと得られない情報」ってのが、昔に比べてなくなったせいかもしれない。
コーディネートはインスタ見ればいいし、レシピはクラシル見ればいいし、嵐はもう雑誌に載らないし(ちょっとちがう)。

とここまで書いといてあれだけど、昨日雑誌を買った。

一体何年ぶりなのか分からないけど。
本屋さんで雑誌を買った。

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そう、「アンドプレミアム」。

本当は、先月号の「心が動く、言葉の力。」が欲しかったのだけど、店頭に行ったらすでに次の号が出ていたのでこちらを購入した。


きっかけは先月のこと。
インタビューのためにカフェへ行った時、ちょうど目の前の本棚に前の号が置かれていた。

「心が動く、言葉の力」というキャッチコピーに惹かれて、待ち合わせの時間まで手にとってぺらぺらとページをめくった。

「アンドプレミアム」って、もちろん存在は知ってるし、何度か書店とか雑貨屋さん(おしゃれなところって置いてあったりするよね)で手にとって見たことはあったんだけど、なんとなく「オシャレよね〜」みたいな感じで、あまりちゃんと読んだことがなかった。

だから、ツルツルしてない紙質とか、使われている写真のトーンとか、はじめてちゃんと見て「あ、好きだなあ」と思った。

とはいえ、書店に買いに行くほどでも、amazonでポチっとするほどの情熱は生まれなかった。

それが昨日、書店で見かけたので、ちょっと迷いながらも買ってみた。

夜、帰宅してからぺらぺらとページをめくった。
写真を眺めているだけで、ちょっと楽しい。
載っているお洋服はバカ高くてとても手が出せないけども。
(ワンピース22万って何でできてるの?金?)
それでも楽しい。

特集の「スタイルを持つ」という内容も、今の私にとてもフィットして流気がして嬉しい。


さて。数年ぶりの紙の雑誌。
どうしてわたしは買ったんだろう。

多分だけど、液晶画面じゃなくて紙で見たかったんだと思う。
特に写真を紙で見たかったんだと思う。
ベッドに転がって、ぺらぺらと紙をめくりたかったんだと思う。

毎月買うかは分からないけど、たまには雑誌もいい。
明日は雨だし、コーヒーを飲みながら読んでみよう。


いつかこの雑誌に、私の文章が載ったらいいのにな。
最後に夢を呟いてみた。
ことだま、ことだま。

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