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Googleマップの口コミのニュースを見て思い出した史上最悪だった耳鼻科の先生の話。

Googleマップに書かれた口コミについて、医師たちが「不当な口コミが削除されない」と訴えを起こした、というニュースを見た。

提訴したのは東京、神奈川、愛知、大阪、福岡など各地の開業医や医療法人の医師、歯科医師ら。都内で開業する原告団長の男性医師は記者会見で「誹謗(ひぼう)中傷や侮辱のほか、勝手に『閉業』にされるなど営業妨害を受けている医療機関が多い」と訴えた。

日経新聞ニュースサイトより)

このニュースを見て、4年前に行った病院というか医師のことを思い出した。


私もどこかへ行く時は、Googleマップの口コミを参考にする。

病院や飲食店、そのほかのお店など、初めて行く時は「どんな感じかな?」とチェックするし、飲食店だと「食べログ」と「Googleマップ」の両方を見て、参考にしたりする。

中でも病院は、口コミを参考にすることが多い。


話は、今からさかのぼること4年。
神奈川県に短期間住んでいた時のこと。

夜から喉が痛くなりはじめ、朝には発熱。
病院に行きたかったけれど、地元じゃないから近隣の病院への知識がゼロ。

頼れるのはGoogleマップだけだった。

家の近くで「耳鼻咽喉科」を検索すると、3件表示された。

1件は少し遠い。
1件は休診日。

残された1件の口コミを見ると「2.7」。
まあまあ悪い。ていうか、だいぶ悪い。

「先生が上から目線」「薬の量が多い」「どんどん悪化した」「2度と行かないし知り合いにはすすめない」など、低評価のオンパレード。

でも中には「いい先生だと思います」「私は好きです」などの口コミもあるし、熱も上がってきて明日までは待ちたくないし、一か八かで行くことにした。


というのも、飲食店と違って、病院の口コミって低評価のことが多いような気がするから。

「最低!!」「何あの病院!」という気持ちの時にこそ、口コミを書きたくなるものだろうし(「普通」だったら書こうという気にならないし書くこともないし)、評価が低めになるのは人間心理的にしょうがないだろうから、ある程度の低評価は受け入れようと思った。

その日が休診日だった耳鼻科も3.5だし、遠かったところも3.8。
まあでも2.7よりマシか…大丈夫なんだろうか…。


で、行ってみた結論はというと、本当に本当に最低だった。

耳鼻科の先生と私の会話。
4年経っても忘れない。

喉が痛くて熱があると伝えると、なぜか鼻を見始めた先生。

先生「鼻っていうのはね、東京駅みたいなものなんだよ。全てがここに繋がってるの。分かる?鼻と目、鼻と口、鼻と耳。だからね、鼻ってすごく大事なんだ。それでね…」 
私「あの、すみません。鼻じゃなくて喉が痛…」
先生「今は僕が話してるから!ちゃんと聞いて!」
私「はぁ」
先生「鼻というのはね、うんちゃらかんちゃら…」
私「…」
先生「ねえ、ちゃんと聞いてる?話してるんだけど」
私「はぁ」
先生「なぜならね、鼻はね。なんちゃらかんちゃら」
(と言って、鼻に何か液体を流された記憶)
先生「うん、鼻には問題がなさそうだね」
(でしょうね)

私「とにかく昨晩から喉が痛くて。扁桃炎だと思うのですが」
先生「(喉を見て)腫れてるね」
私「抗生剤を…」
先生「僕はね、抗生剤は出さないんだよ。なぜだか分かる?ああ分からないよね。抗生剤っていうのはね、うんちゃらかんちゃら…」
私「とりあえず喉の痛みと熱を下げたいんですが」
先生「あー、でも熱ないよね」
(なぜか病院の体温計では36.0度しか出なかった。自宅では37.5度だったのに)
先生「また熱が上がったらおいでよ。とりあえず薬出しとくから」

処方箋をもらい、薬局へ行くと「鼻水を止める薬」と「咳止め」が出された。
鼻水なんて1滴も出てないし、鼻に問題なかったやん。
咳も出てないし、なんでやねん。


数時間後、どんどん熱が上がるので、這うようにして再びその耳鼻科へ。
がしかし、病院の体温計ではきっちり36.0度。
おいこら、この体温計絶対壊れとるやん。

先生「うーん、熱ないねえ」
私「自宅だと38.5度だったんですが」
先生「まあ薬出しとくから」

処方箋をもらい、再び薬局へ。

薬剤師さんが「あれ?さっきも来てましたよね?」と言うので、ここまでの経緯を話すと「え、解熱剤出てないですよ」と衝撃の一言。

「まじですか…」とうなだれる私を見た薬剤師さんが「ちょっと待ってて!」と併設のドラッグストアに走っていって「カロナール」を持ってきてくれた。

「今、解熱剤がこれしかなくて。市販薬だけど多分熱は下がるから、少しは楽になると思います!」と。

おお…神よ…
薬剤師さんが神に見えた。

拝みながら薬局を出て、這うようにして帰宅。
解熱剤を飲んで寝た。


熱は下がったものの喉は痛かったので、翌日評価3.6の病院へ。
経緯を話して喉を見せると「ああ…それはつらかったですね…」と労ってくれた。

優しい先生が神に見えた。
出された薬を飲んだら2日で治った。

ありがとう、優しい先生。
(マスクしてたけどイケメン風だったのも加点対象)


あの日から「Googleマップの口コミは、ある程度真実かも」と思っている。

感情に任せて書き殴っちゃう人もいるだろうし、冒頭のニュースを見ると嘘を書き込む人もいるらしいから、100%信じない方がいいかもだけど、やっぱり評価が「3」を切ったら何かしら問題があるかも…?と思ってしまう。経験上。

そういえば…と思い出した病院。

私も母も嫌な思いをした近隣の病院を調べたら「2.6」だった。
やはり。まちがいない。指標は「3」だ。(あくまでも当社比)


ちなみに私は、「鼻は東京駅」と言われた耳鼻科の口コミを書いていない。
どう書いても罵詈雑言になりそうだったので自制した。


以上、Googleマップの口コミについての思い出でした。
これを書いたことで、4年分の想いが消化できた気がする。

あの先生、今でも「鼻は東京駅」って言ってるのかなあ。
今でも真っ黒に日焼けしてるのかなあ。
金髪なのかなあ。

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