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教科書でおぼえた名詩

【7日間ブックカバーチャレンジ7日目】

私の7日目の本は、ネスコ編「教科書でおぼえた名詩」。

今回のチャレンジでいろいろな人がいろいろな本を選んでくれている。 たとえば、長田弘の詩集『世界はうつくしいと』を選んでくれた人もいる。

本についての説明はなしというルールだが、この本「教科書でおぼえた名詩」にも、長田弘の詩が採録されている。

本を読もう。
もっと本を読もう。
もっともっと本を読もう。

書かれた文字だけが本ではない。
日の光り、星の瞬き、鳥の声、
川の音だって、本なのだ。

ブナの林の静けさも、
ハナミズキの白い花々も、
大きな孤独なケヤキの木も、本だ。

本でないものはない。
世界というのは開かれた本で、
その本は見えない言葉で書かれている。

ウルムチ、メッシナ、トンプクトゥ、
地図のうえの一点でしかない
遥かな国々の遥かな街々も、本だ。
そこに住む人びとの本が、街だ。
自由な雑踏が、本だ。
夜の窓の明かりの一つ一つが、本だ。

シカゴの先物市場の数字も、本だ。
ネフド砂漠の砂あらしも、本だ。
マヤの雨の紙の閉じた二つの眼も、本だ。

人生という本を、人は胸に抱いている。
一個の人間は一冊の本なのだ。
記憶をなくした老人の表情も、本だ。

草原、雲、そして風。
黙ってしんでゆくガゼルもヌ~も、本だ。
権威をもたない尊厳が、すべてだ。

200億光年のなかの小さな星。
どんなことでもない。生きるとは、
考えることができるということだ。

本を読もう。
もっと読もう。
もっともっと本を読もう。

長田弘:世界は一冊の本

7日間ブックカバーチャレンジの最終日の結論。それはもっともっといろいろな本を読もうだ。

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