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変化の予兆

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変曲点の可能性やサインポストの収集
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2020年6月の記事一覧

「参加から参画へ」 – さまざまな立場の人が認知症の課題に取り組む意味(Ⅱ)

「参加から参画へ」というテーマで、ヨークの"Minds & Voices"の人たちの活動を中心に、認知症の当事者も交えたさまざまな立場の人が認知症の課題に取り組む意味について考えた。 同じ英国でも、スコットランドのエジンバラでは、また別の活動が進められている。以下では、変化を少しずつ形にしながら働きかけていくことについて考えていきたいと思う。 変化を少しずつ形にしながら働きかけていく スコットランドで認知症当事者グループを立ち上げたJames McKillopさんは、エジ

「参加から参画へ」 – さまざまな立場の人が認知症の課題に取り組む意味(Ⅰ)

認知症の課題を地域で考えていくためには、多くの人が関与することが大切でしょう。では、そのような活動には具体的に誰がどのように関わればよいのでしょうか。そのヒントが世界でも、日本でも、生まれ始めています。 “I want to speak please” 認知症の当事者本人としての声をとどけるこの写真は、ロンドンから列車で2時間ほどの英国中部の街、人口20万人ほどのヨークで使われている絵はがきほどの大きさのカードです。 この街では、認知症当事者のみなさんが月に一度集まって話

変化の予兆:SCENARIO INSIGHT WORKSHOP

EXIT FILMの田村さんたちが企画したワークショップ「SCENARIO INSIGHT WORKSHOP ポストコロナの未来洞察ワークショップ」に誘ってもらった。 EXIT FILM自体は、シネマ的な映像表現を得意とするチームだ。 今回のワークショップも、映像制作の中のシナリオ制作の部分を大胆に取り入れた手法になっている。いわば、【シナリオ・プラニング】×【シナリオ・ライティング】という2つの異なる考え方をないまぜにしているところに面白さがある。 【シナリオ・プラニ

変化の予兆:Build Back Better

北里大の人を中心としたコミュニティと関わる活動が新型コロナの影響で延期が続いていた。「だったらZoomを使いましょう」ということになり、そのための一歩がはじまった。 元々、北里大の人はこの何か月か授業等でZoomを使っているので、そのリソースを少しだけ外に向けて開けば、ずいぶんと大きな力になる。今日の最初の一歩では、OT(作業療法)の先生が少し話をした。面白かった。 話の中で、オーストラリア作業療法士協会のHPに精神科作業療法士のLorrae Mynard 氏による「No

変化の予兆:京都ソリデールとは【連帯】の意

京都ソリデールという取り組みがある。京都府の事業だが、和風に【次世代下宿「京都ソリデール」事業】と表現されている。事業目的は『若者(一人暮らしの大学生等)へ低廉で質の高い住宅確保と自宅の一室を提供する高齢者との交流を図る、同居マッチングシステムを構築』とある。 ソリデールはフランス語で「連帯」の意。つまり、よくよく目を凝らせば、和風な事業名と目的の中に、若者と高齢者との【連帯】を求める精神がある。 下宿は連帯。「ともに生きるではなく」、「支えあう」でもなく、連帯と言い切っ

変化の予兆:在宅メインの働き方

いろいろなことが一時期のトレンドに過ぎないことはよくある。東北の震災に対する東京近郊の人たちの取組みや関心もそうかもしれない。もちろん「違うよ」という人もいるだろう。けれど、やっぱり自分の日々に直接影響を与えないことはどこか他人事だ。 在宅メインの働き方は少し性質が違うかもしれない。《なぜ通勤して集まって会議しなければならないのか》という素朴な問いを、東京近郊圏など大都市を中心に多くの人が直観したのではないだろうか。会社で働くことが会わないけれどリアルな存在になっていくかも