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変化の予兆:SCENARIO INSIGHT WORKSHOP

EXIT FILMの田村さんたちが企画したワークショップ「SCENARIO INSIGHT WORKSHOP ポストコロナの未来洞察ワークショップ」に誘ってもらった。

イグジットフィルムは2017年から、企業のビジョニングやブランディング、中高生の探求学習を目的としたシナリオメイキングのワークショップを開催してきました。

コロナ禍を経て変化する社会を前に、これらの知見をいかし、ポストコロナの未来を洞察するワークショップを開催してみたいと思います。

EXIT FILM自体は、シネマ的な映像表現を得意とするチームだ。

今回のワークショップも、映像制作の中のシナリオ制作の部分を大胆に取り入れた手法になっている。いわば、【シナリオ・プラニング】×【シナリオ・ライティング】という2つの異なる考え方をないまぜにしているところに面白さがある。

【シナリオ・プラニング】では、未来の変化の予兆の断片(フラグメント)を、影響度と不確実さという2軸でマッピングしていくことがよくある。そして、異なる不確実な事象の掛け算でシナリオ、というよりは未来の状況を記述していく。

一方、【シナリオ・ライティング】の方は、ある特異なエピソードから始め、そのエピソードが起きた理由を、主人公の内面と行動の掛け算で描いていく。しかも、シナリオ内での人々の行動は、より大きな世界観と矛盾なく彫琢されていなければならない。逆にいえば、世界を細部まで彫琢してこそ、物語が生きてくることになる。

つまり、この2つの手法は、同じ【シナリオ】という言葉は使っていても、その意味する概念も、使い方も、位置づけも、何もかもが違う。普通にワークショップを設計する場合、特にシナリオ・プラニングのワークでは、ほぼ間違いなく、後者の【シナリオ・ライティング】的な手法は用いられない。

そして、この異なる手法を混ぜ合わせることで生まれてくる物語は意外性があり発見的であり、しかも、不思議にリアリティを持つものとなる。この面白みは前者の【シナリオ・プラニング】で描かれる"シナリオ"が、多くの場合に凡庸になってしまうのとは対照的だ。そこがEXIT FILMのオリジナリティであり、彼らのプロセスの良さともいえる。

今回のワークショップでは、事前に準備されたmiro上のワークエリアで、上記の作業が進められた。準備は大変だったと思うが、とてもスムーズに作業を行うことができた。

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EXIT FILMのこのワーク、これからますますバージョンアップしていくと思う。今からそれがとても楽しみな自分がいる。

訪問していただきありがとうございます。これからもどうかよろしくお願い申し上げます。