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鑑賞*涼しさや長押に雁の釘隠


 阿部 悦子  

小説『野菊の墓』では、主人公の政夫の自宅は戦国時代からある界隈の旧家。

そこに銅製の雁の釘隠しがある。

襖も取り払われて広々とした夏座敷。

手入れの行き届いた庭は夏の日差しが眩しい。

金属の釘隠しに涼味がある。

(岡田 耕)

(俳句雑誌『風友』令和四年一月号)
         

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