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『問いかけの作法』から造詣を深める:リハビリテーションにおける観察力

部署を異動して早二ヶ月経ちました。最近では、オウンドメディア担当として、記事の企画・編集、今後はライティングもしていく予定となっています。が、Twitterに最適化し過ぎてしまい、140文字以上の文章を書ける気がしないので、リハビリを兼ねてnoteを積極的に使っていこうという所存です。

前回の記事でめちゃくちゃ参考にさせていただいた安斎さんの著書『問いのデザイン』に次いで、今回もめちゃくちゃ参考にさせていただくのは安斎さんの新刊『問いかけの作法』になります。

発売は12月23日とまだ先なのですが、Amazon等で事前予約してこちらのセミナーに申し込みすると書籍原稿のPDFをいただけるという性善説太っ腹企画。

少しずつ読み進めているのですが、「見立てる」という行為がリハビリテーションの場においても役立つ、もしくは暗黙的に実践しているのでは?という気づきを得たので、今回noteを書くに至りました。

問いかけに必要な3つのサイクル

良い問いかけとは、「見立てる」「組み立てる」「投げかける」という3つの行為のサイクルによって成立している。

安斎勇樹 『問いかけの作法』

問いかけの出発点は、相手の状況をよく観察することによって「見立てる」ことから始まるとされています。

リハビリテーションにおける「見立て」とは?

リハビリテーションの場では、40分もしくは60分と限られた時間で患者さまの評価から介入までを行わなければいけません。となると、瞬時に患者さまの状況や問題点を「見立て」ながら、把握していく必要があります。

例えば、「この方は、太ももに手を乗せる立ち上がる癖があるけど、股関節から膝関節にかけての筋力低下がある?」「歩行中、無意識に手すりを使うけど、転倒の不安がある?」のような見立てをもとにしながら、仮説を組み立てて具体的な評価や介入をしています。

しかし、私がリハビリテーションを行う在宅療養の場では、患者さまの身体や動作能力、発言や感情だけでなく、その方の住まれる家の環境や趣向・習慣など膨大な情報量を観察することになります。

ご高齢な方のお家は、写真のように様々な物に囲まれて過ごされていることが多く、観察の対象がより膨大になります。

『問いかけの作法』では、第3章 3-5に情報を取捨選択する「フィルター」の役割、というページがありますが、まさしくこれが求められるように思います。そして、このフィルターは長年の経験で培われた、勘のようなものも大切になります。

私は患者さまに自己紹介する際、「私は北海道出身なんですよ」というセリフをよく使います。長年の経験で、東京に住まれるご高齢な方には「北海道出身」という情報がポジティブな印象を与える、という経験(何なら偏見)があります。

先日、はじめて伺った患者さまのお家でのエピソード。その方のお家は、先ほどの写真にもあったように様々な物が溢れており、一種の「こだわり」のようなものが見受けられました。

その中でひと際目立っていたのが、テーブルの上に置かれた「白い恋人」の箱、そして書類の整理に使っていた「函館山のクリアファイル」。

様々な物の中から『もしかすると、この方は北海道に縁やゆかりがある、もしくは北海道出身なのかもしれない』という見立てが生まれました。そして患者さまに尋ねてみると「実は…北海道が大好きで、毎年旅行をしていたんです!」と盛り上がることができました。

おわりに

良い問いかけに必要な「見立てる」「組み立てる」「投げかける」という3つのサイクルを、患者さまとの関わりの中では無意識の中で回していることに気づきました。

まだまだ読みかけの『問いかけの作法』なので、読み進めながらこの辺りの暗黙知を言語化しながら問いに対する理解を深めていければと思います。

(…筆がのれば…第二弾も書きたい気持ち…)


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