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誰かに相談をすることについて

カウンセリングの仕事をしていると「誰にも相談出来なかったので話せて楽になりました」「気持ちを聞いてくださる方がいて助かりました」と声をかけていただくことがとても多いです。カウンセラーとしてはお役に立てたなら嬉しいと思う反面、人はこんなに悩みや心配事などを誰かに相談しにくいんだなぁと感じます。

今回は、悩みの相談しにくさについて、考えてみたいと思います。

誰かに悩みを相談がしにくい5つの理由


1.相手の負担になりたくない

2.話してもきっと理解して貰えない

3.どう話していいか分からない

4.話すことで解決するとは思えない

5.自分の弱みを他人に見せたくない


1.相手の負担になりたくないので話せない

カウンセリングの中では一番多く語られる理由です。
悩みを持っていても人に話せない人の多くは、「こんな暗い話をすると相手の負担になる」「心配をかけてしまい、相手まで落ち込ませたくない」などと思って大事な人にも心のうちを話さないことが多いようです。
優しい人や人並み以上に相手に気を遣ってしまう人などは、特に気遣いでなかなか自分のことを話せない傾向にあります。

2.話してもきっと理解して貰えない

こちらも多く語られる理由で、過去に自分の悩みや気持ちを話した時に嫌な思いをしたり傷ついたりした経験のある方が、話しても理解して貰えないと悩みを自分一人で抱え込むことが多い気がします。
せっかく自分の心の内を誰かに伝えても、軽く流されてしまったり、冷たくあしらわれたりしたら、こんなにエネルギーを使って相手に自分の気持ちを伝えるのはもう止めようと思ってしまうかもしれませんね。

3.どう話していいか分からない

「それまで人の手を借りず全部自分で解決してきた」「人に何かを相談をしたことはない」という人は悩みを人にどう話していいか分からずに話すことが出来ないでいるようです。
 悩みなどの相談は受ける方はもちろんのこと、する方にもスキルが必要になります。人に相談した経験などがない人は、いざ困ったことがあって、悩みを相談しようと思ってもどう話していいか分からなくて、助けを得たいのに助けを得る手段が分からないと言った状態になります。結果として抱え込みすぎて潰れてしまったり、他の人が気がついた時には状況がとんでもないことになってしまったりということが起こったりします。

4.話すことで解決するとは思えない

上記に書いた「話しても理解して貰えない」考えの人と同じように見えますがこちらの考えを持った人の方がより強固に人に頼ったり、悩みを話したりということを避けます。
誰かに話して何かが解決する訳ではないし、話すだけの労力が無駄だと感じている人は相談自体を嫌って、無意味なことだと価値付けしています。
そのため、人から悩みなどを相談されるのも苦手で、相談してくる人に対して冷たかったり、弱い人間だというレッテル貼りをしてしまったりします。このタイプの人が上司や上にいる場合、下の人はなかなか相談が出来ずに困ってしまうことが多いです。

5.自分の弱みを人に見せたくない

自分の弱みを人に見せたくないと思っている人もまた人への相談を避けます。
自分が誰かに悩みを相談したり、困っていることを伝えると「無能」だと思われるのではないだろうか、「弱い人間」と判断されるのではないかと恐れているのです。
けれど、本当にそうでしょうか? 実社会では、きちんと誰かに悩みを相談したり、人と気持ちを分け合って楽になることが出来る人の方がストレスや突然の事態などに強く、柔軟な対応がとれます。


人に悩みを相談することは人によっては難しく、相手の状況などによっては困難なこともあると思います。けれど、人は他の人との繋がりや対話によって、色んなことを解決したり、心を軽くしたりすることが出来ます。
なので、上記のような難しさがある人も一度、側にいる信頼できる人に自分の胸の内を話してみるとまた違った新しい道が見えてくるかもしれませんね。

そして、あなたがやはり誰にも相談することが出来ない。誰かに話を聞いてもらいたいけど、相手がいない。自分がどんな気持ちでいるか分からないので何を伝えたらいいか分からない。そんなことで立ち止まってしまう時には、お気軽にカウンセリングなどを利用してください。

髪が伸びてきたら美容院に行くように、身体が固まって辛くなったらマッサージにいくように、心がつらい時には心のケアも大事です。もっとカウンセリングが身近な存在になればいいなと思っています。

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