ぼくたちナイーブ?
こんにちは。国際結婚して中国移住したエンジニア→研究員、KOです。
主に3つのマガジン、コラム、上海現地採用ライフ、物理・科学(基本やさしく)を書いています。
私が中国人の妻からたくましさを学んだ話です。
2021年の10月頃、妻と上海の中心部にある大きなデパートに行った時の事です。とある店に行きたくて地下に入ったのですが、場所を間違えていて、実際には1階にありました。
しかし、エレベーターなどを使おうとするとマスク奉行がいて、たまたまマスクを忘れていた妻は入れません。
そこで、どこか秘密の階段はないか探したり、実はデパートの外側と内側の両方にドアがある店は、監視をくぐり抜けて簡単に入れちゃうんだよね、という話をしていました。
そしてふと、華村さんの以下の記事を思い出し、中国人はいかにルールの網を潜り抜けるかを考える、とあったことを思い出し、妻にぶつけてみました。
すると妻いわく、確かにそれは割と的を得ているらしいです。実際、一緒にどうやって監視を潜り抜けるかを考えていたし、思い出してみれば、あくまで妻との間の個人的な経験ですが、かなり思い当たる節がありました。やや華村さんの主張とズレる話かも知れませんが、私の経験を振り返りたいと思います。
ケース1ー日本にて
妻と相談しながら、私が日本で何かしらの手続きをする時のこと。妻が、こうしてくれ、と言ってきたのに対して、「いや、それは一般的にできない、聞いたこともない、ルール上、絶対に無理だ」と返事をしました。しかし妻は、「じゃあ電話でもなんでもして聞いて、もしできなかったら今回のケースだと困るんだからできるはずだ、できなかったらおかしい、まずは交渉しなさい」と言われました。
正直、いや日本人の感覚からしたら絶対に無理だし、事情知らんだろ、と思ってしまいましたが、気の弱い私はあまり争うことなく、妻の言われた通りにしました。できました。
妻に報告したところ、「ほらね、なんでも交渉して、やらなければいけないことはやるんだよ、まずは交渉するなりなんなりしたら、大体できるもんなんだよ。世界はそうやって回ってる。アンタみたいなあまちゃんだと海外でも中国でも、生きていけないよ」といった説教を受けました。修士から5年間ドイツにいた妻から浴びせられた、強烈なパンチでした。
ケース2ー中国にて
また、中国に来て間もない頃のこと。就労ビザで中国に来たのですが、実際に長期滞在するためには、就労許可証と居留許可証というものを作る必要がありました。そして書類を作るために、上海の家から会社のある寧波に行きました。
しかし当時、上海と寧波ではコロナ対策が異なり、寧波の場合、私は原則的には自宅にいなければいけない状況でした。しかし背に腹は変えられないため、電車ではなく車で寧波にいき、無駄なリスクを避けるためにエアビーのようなもので家に滞在し、健康診断をし、その後に寧波の入管に行きました。
入管の人は、最後の1週間の原則自宅待機期間であるにもかかわらず私が外にいるのが問題だと考え、しばらく妻と議論をしていました。しかし特に激しい口論や対立もなければもちろん監禁されることもなく、交渉の末、穏便に書類を作ることができました。ちなみにこの”原則”というのがミソで、なんとか納得してもらえたようです。
まとめ
この他にも、杓子定規にルールに従うのではなく、都度交渉してなんとかこちらの言い分をのんでもらうということは、たびたび見かけます。
考えてみれば、仕事でもある程度は同じですよね。どうしても困ることがあったらまずは交渉して、なんとかOKをもらったり。もちろんいつも一方的に頼むばかりではいつか協力してくれなくなりますが。というわけで、私がナイーブだったという話でした。
ちなみに中国では、公安だろうが相手が大勢だろうが、おかしいと思ったら主張する、という光景をまあよく見ます(ただそれがマジョリティーとは全く限らないです)。隔離明けの時にも、ホテルで女性がたった一人で5、6人の職員に対して、今にも掴みかからんばかりに激しく主張しているのを見かけてハラハラしました。後からたまたまそこにいた親切な日本人から事情を聞いたら、向こうにコミュニケーションのミスがあったようで、全くご最もな内容でした。
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