見出し画像

魔法の杖が見つかった。

魔法の杖が子どもたちに見つかった。

生粋の『ハリーポッター』好きである私が
押入れの奥底に隠し持っていた”ニワトコの杖”。

ちょうど『ハリーポッター』にハマっている長男と次女は、私の杖を発見した瞬間
「え?なんでママがこれ持ってるの?」
と興奮気味に聞いてくる。


まさか、
「きみたちが寝たあと、ひとりでローブ着て杖で遊んでいるんだよ」
「ナギニ(ヴォルデモートの蛇)も持ってるよ」

などと正直に答えるわけにはいかない。

子どもたちが翌日、学校で先生やお友達に話し、
下手すると、それが保護者にまで伝わり
保護者会のときに白い目で見られる可能性があるからだ。



「ママ、もう魔力はほとんど残ってないんだけど…」
「うん」
「元々はマクゴナガル先生と同じぐらい強い魔女だったんだ(小声)」
「え」
「マグルと結婚したから正体を隠してここにいるの。絶対に学校でお友達とかに言っちゃだめだよ」
「うん。じゃあ、魔法使ってみて」
「魔法使ったら魔力でバレちゃって、魔法省に連れて行かれる」
「レヴィオーサぐらいなら大丈夫じゃない?」
「レヴィオーサもちょっと危険かな」
「見たいな、魔法」
「見たいよね…でも、ママ、魔法界に戻されたらキミたちと会えなくなっちゃう。それだけはイヤだ」
「えー、見たい見たい!」
「わかった、じゃあ、こっち来て」
(呪文を唱えながら子どもたちの頭に手を置く)
「…なにも起こらないよ?」
「寝たら分かる。いい夢が見られる魔法かけた」
「見なかったら?」
「それは夢を忘れてるだけ」
「なるほど」



難を逃れたと思った。
相手が小学生でよかった。
普段マセて生意気なことばかり言うが、
かわいいところもあるじゃないか。



「じゃあ、寝よっか。おやすみ」

「うん、あす友達に言うね!ママは厨二病だ、って」


終わった。







この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?