「日本人の承認欲求」を読んで感じたこと
中小企業のいい人事実現サポーター
社会保険労務士の河渕(こうぶち)です。
ちょっとご無沙汰してしまいましたが、noteを再始動します。
本日は読書メモから。
■今回読んだ本
「日本人の承認欲求」太田肇著 新潮文庫
太田肇さんは同志社大学政策学部教授。
専門は組織論、人事管理論、モチベーション論とのことです。
■印象に残った部分
・管理職の存在がテレワークで薄れた
情報のゲートキーパーとしての役割を果たせなくなっている
⇒従来の管理の在り方そのものが問われている
・承認欲求の肥大化→「見せびらかし」のエスカレート
職位が高いことは、「より見せびらかすことができる」ということ
・上司の近くにいる者ほど評価される
日本は欧米に比べ、「感じの良い人」が甘い評価をつけられる傾向がある。
「物理的近接性」「返報性」によって、身近にいる部下を可愛がる
・「チラ見せ」褒め→リアリティが薄れて限界に
アプリや承認ツールだけでの承認は、承認欲求を満たすことはできない
・共同体の呪縛
日本の企業は「そこにいけばすべてある」存在
フリーランスのエンゲージメントは、欧米と比べてそん色ない
→「偉い」だけではない、活躍の場と承認される機会を増やしていくことが大切
■本を通じて感じたこと
日本人の承認欲求は会社という狭い共同体の中で、「偉さ」を持つことで満たされるものだったという事が、テレワークにより露呈したということ。
一方、Z世代と呼ばれる若い世代は皆の前で褒められる事を嫌うといった傾向もあり、承認の形が「見せびらかし」から「チラ見せ」に変化してきていると著者は指摘しています。(社内制度の表彰制度の縮小、社内での褒めア
プリやシステムの導入など)
しかし、「チラ見せ」だけでは承認欲求を満たすことはできず、副業など様々な場や会社外部との関わりの中に承認の場を広げること、また「偉い」だけではなく「すごい」「さすが」というように、偉さ以外にも承認を広げていく必要があると提言しています。
テレワークについては導入に向く職場とそうでない職場がありますが、
「承認」の場と形を変えていくことはどの職場でも共通しているのではないかと感じました。
今日のところは以上です。
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