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言うべき答えを間違える私
「明日、島田さんを誘って学校へ来てくれないかな」
二年生の二学期が始まって間もなく、担任の石橋先生は下校前の私を呼び止めてそう言った。
「島田さん、最近よく休んでるでしょ。病気ってわけじゃないんだけど、朝起きれないらしいの」
先生は、ちょっと困った顔で事情を説明する。
島田さんは一学期の途中に転校してきた。クラスに仲のいい友達はまだいないらしく、休み時間には一人でぼんやり窓の外を眺めている。
「お
言いたいことが言えない私
私が通っていた小学校では、週に一時間だけ、五・六年生を対象にした部活動があった。
参加する部を決める五年生最初の学級会で、私は迷わず人気のソフトボール部に手を挙げた。ソフトボールが好きだったし、得意でもあったのだ。だが各部には定員があり、ジャンケンで負け続けた私は、クラスに入部希望者が一人もいない演劇部に入ることになった。
二十名弱いる演劇部員のなかで、男子は私と同じ学年の中村君だけ。
ずっ