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楽園の条件 3

 平成22年6月7日
 熱帯夜、なんていいますけどこの時期のハワイは暑くもなく寒くもなく、一晩中快適な気温です。サザンクロスのソファに寝転んで波の音を聞きながら寝る、というのはとても良い感じです。二日目の朝は純和風にお茶漬けです。アラワイ・ボートハーバーの船上はとても暮らしやすいのですが、ひとつだけ辛いのはトイレです。サザンクロスにもトイレはあります。小の方は良いのですが、大の方は係留中は原則として使えません。それでハーバーのトイレを使うのですが、これがひとつ隣の桟橋の突端にあるのですね。サザンクロスもかなり突端に近い場所につながれているので、そのトイレは目の前の見える距離にあるのですが、付け根の方までぐるっと回って歩いて行かなければならないのです。距離は多分200メートル、もしかしたら300メートルほどあるかも知れません。だから催してからだと間に合わない可能性があります。催しそうな気配を感じたら遅滞なく行動をはじめなければなりません。まだそれに気づかなかったこの日の朝はかなり危なかったです。
 トイレのある一角には、ハーバーのクラブハウスがあります。そこにはWi-Fiが飛んでいるので、パソコンを持ってきてメールチェック。ヤフーからオークションのアラートが来ていました。NECの異麗夢が出品されたようです。これはバブルの頃に発売された高級電話機で、ルイジ・コラーニさんがデザインしたものすごく未来っぽいフォルムのやつです。当時高校生だったぼくは当然買えず、カタログの写真を部屋に貼って眺めながらずっと憧れていました。大人になったいま、ヤフオクで出てくれば買ってやろうとアラート設定していたのです。それでも何年かに一回ヒットする程度のレアなものなので、今回こそと思って急いでアクセスしたのですが、もう即決された後でした。
 お昼は船で冷やしうどんを食べます。ハワイ感あるなあ。ないか。それからぶらっとアラモアナショッピングセンターに行って、短パンとビーチサンダルを買いました。こちらでの滞在中はそのスタイルがいいですからね。でも、そのゴム草履は履いてみるとなんか堅くて足の裏が痛いやつでした。あー、ちょっとやっちまったなー。
 昨日の夕方のクルーズに来ていたエミさんというお姉さんがビルケンシュトックのお店で働いているというので、夕方中路さんと一緒に訪ねました。ビルケンシュトックの定番サンダル、試しに履いてみるとやっぱり良いです。先ほどゴム草履で失敗したとこなのですが、これは絶対に間違いないので買ってしまいました。
 新しいサンダルでビーチ伝いに船まで歩いて帰って、夜はシチューライスを食べて寝ました。

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