水深800メートルのシューベルト|第882話 2 吉村うにうに 2024年4月15日 12:21 気がつくと、ハッチ周辺に固まっていた水兵たちはあらかた艦内に戻り、ゲイルさんは、僕以外の最後の一人が梯子を登る様子を見つめていた。次は僕の番だった。梯子の前で歩哨に立っている彼と目を合わせた。無言で数秒見つめてから口を開いた。「お騒がせして申し訳ありません」 ゲイルさんは、心の底にある温かさを厳しさで覆い隠すように、努めて事務的な声で言った。「早く戻れ。それから許可もないのに真っ先に出ようとするんじゃない。どうせ、もうすぐ上陸できるんだ」 第881話へ戻る 第883話へつづく 第1話に戻る ダウンロード copy #小説 #連載小説 #長編小説 #連載長編小説 #潜水艦 #アメリカ海軍 2 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート