「知ってるか、アシェル? 葬儀に行っている間に、ダカーリがみずから除隊したこと」(とエウヘニオは言った。)
前を向いていた僕は、思わず脇に立つ彼の方へ首を向けた。しかし、すぐに非難に対する応酬のような怒りが込み上げてきた。
「僕のせいだと言うのか? 思えばいいよ」
棘を含んだ言い方を意識して口にした。すると彼は、「そういうつもりじゃないよ」と言いながら、走路に入れた手を引っ込めた。
「体がなまっているんだ」
そう言い捨てて、再び走り始めると、彼はすごすごと筋トレコーナーへと戻って行った。
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