その半分の距離も行かないうちに、車のドアが三枚、バラバラのタイミングで開き、中からてんでに人が出てきた。
まずはメイソンが、続いてバーナードが車から降りてきた。ブライアントが少し遅れたが、きっとパイプに点いた火の始末をしたからだろうと思った。バーナードは、左脇を締めつけるように左腕を縮こませたまま、僕を見つけると、旧友に会った時のような、わざとらしい笑顔を見せ、僕を右手で抱いてきた。
「ヘイ、ブラザー! 待たせたな。今から度胸試しに行こうぜ」
「何をするんだ? できるのか?」
彼の輝くような目を見るとかえって不安に陥った。
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